カフカと情報化社会

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784624011000
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0010

出版社内容情報

20世紀の特異な作家カフカの小説は、現代社会のグロテスクやユーモアを先取りした感があり「変身」「審判」「城」等から情報化社会の盲点を読み解く思考のトレーニングの書である。

内容説明

20世紀の特異な作家フランツ・カフカの小説は、怪物化した今日の社会をまさに先取りした感があり、グロテスクさとユーモアは、現在ますますリアリティのあるものになっている。本書は「変身」「城」「審判」「アメリカ」等から情報操作と権力の関係を読みとり、情報化社会を生き抜く戦略と思想を提示する。豊かな民衆文化を掘り起し、肥大化した管理社会を切り崩す。新カフカ論は、20世紀の文明に向けた大いなる問いを孕んだ書である。

目次

第1部 カフカと情報化社会(『フェリーツェへの手紙』;『アメリカ』;『審判』;『変身』;『城』)
第2部 カフカ・ディアローグ
第3部 カフカ・クロニクル

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tonex

6
▼第一部カフカと情報化社会。情報操作と権力という観点からカフカの作品を解説したもの。わかりやすくて面白い。しかし、『審判』の主人公は喉を切られて処刑された(61頁)といった勘違いが何箇所かあり、内容の信頼度が下がる。喉ではなく心臓。▼第二部カフカ・ディアローグ。アイザック・B・シンガー及びエヴリン・T・ベックへのインタビュー記事。▼第三部カフカ・クロニクル。1965年から1989年に著者があちこちに書いたカフカに関する文章を年代順に並べたもの。あまり面白くない。政治や演劇の話は興味がないので特に。2015/12/10

有沢翔治@文芸同人誌配布中

2
確かに『城』を巡る考察は面白かったが、強引な論理展開。情報化社会のことを語るならパソコン関係の知識を調べるべき。文学関係の記述については間違いがないけど、パソコン関係の知識は基本的な勘違いが多い。※パソコンの情報はすぐに消えないし(削除済みという情報が書かれるだけ)、そもそもリダンダンシーという言葉は予備のマウスを持っていたり、一部の情報が読み取れなかったとしても復元できるようにあらかじめ余分な情報を付加させておくことです。決して、消しても残滓が残るという意味ではありません。2015/09/08

nukuteomika

1
現代情報化社会の予見者としてカフカを読み解く。過去の研究、当時の最新の研究も踏まえて読み応えはあるが、内容に重複が多いのが難点。読解は強引さを感じるものが多いが、「城」の主人公を詐欺師と見る解釈など興味深いものもある。2009/11/27

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