Minerva社会学叢書
逸脱と医療化―悪から病いへ

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  • サイズ A5判/ページ数 587p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623038107
  • NDC分類 498
  • Cコード C3336

出版社内容情報

【内容】
医療化現象の社会的意味と理論的含意――
社会学理論、医療社会学、逸脱理論との交錯領域に位置する社会学上の古典的著作。
逸脱論の医療現象への応用編という性格をもち、よりマクロな現象との連関も分析している。ここで取り扱われる「医療化」の諸現象は、現在の日本においても明確に観察可能か、次第にその重要性を増しつつある現象である。とくに社会問題化している児童・青年の教育・犯罪現象、ならびに「精神鑑定」における「責任」の問題を考える上でも基礎的なデータ・分析が提供されている。

【目次】
日本語版への序文
緒 言
序 文
1 逸脱、逸脱定義、医療専門職
2 悪から病いへ
3 狂気の医療モデル
4 アルコール依存症
5 アヘン嗜癖
6 子供と医療化
7 同性愛
8 医療と犯罪
9 社会統制装置としての医療
10 逸脱の医療化に関する理論的言明
後 記 逸脱と医療化
文献一覧
訳者あとがき
索 引

内容説明

本書は、「医療化」論、「逸脱の医療化」論に関する社会学の現代的古典というべき著作。逸脱論の医療化現象への応用編という性格をもち、よりマクロな現象との関連も分析している。ここで取り扱われる「医療化」の諸現象は、現在の日本においても明確に観察可能かつ、次第にその重要性を増しつつある現象である。とくに社会問題化している児童・青年の教育・犯罪現象、ならびに「精神鑑定」における「責任」の問題を考える上でも、基礎的なデータ・分析が提供されている。

目次

第1章 逸脱、逸脱定義、医療専門職
第2章 悪から病いへ―逸脱認定の変化と社会統制
第3章 狂気の医療モデル―精神病の出現
第4章 アルコール依存症―酒浸り、飲酒癖、疾病概念
第5章 アヘン嗜癖―医療的関与の盛衰
第6章 子供と医療化―非行、多動症、児童虐待
第7章 同性愛―罪から病いそしてライフ・スタイルへ
第8章 医療と犯罪―生来性犯罪者の探索と犯罪に対する医療的統制(R.モラン)
第9章 社会統制装置としての医療―社会への帰結
第10章 逸脱の医療化に関する理論的言明
後記 逸脱と医療化―10年後

著者等紹介

進藤雄三[シンドウユウゾウ]
1954年生まれ。1980年京都大学文学部卒業。1986年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授

杉田聡[スギタサトル]
1960年生まれ。1984年東京大学医学部保健学科卒業。1989年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了、保健学博士(1989年)。現在、大分大学医学部看護学科助教授

近藤正英[コンドウマサヒデ]
1966年生まれ。1990年東京大学医学部保健学科卒業。1994年東京大学医学部医学科卒業。現在、筑波大学社会医学系講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

PenguinTrainer

6
逸脱した人を悪人と呼ぶか病人と呼ぶかの間を歴史的、社会学的、宗教的など多角的に捉えなおしている本。 アルコール依存症、精神疾患、薬物依存、非行、同性愛など現在医療の範囲で扱わない内容も過去は医療の範疇のものであるとして医療化されていた。 こうした医療化の範囲は医学の観点から科学的に規定されていると思われがちであるがきわめて政治的・集団的な意見によって規定されている可能性を示唆している。2022/01/26

陽香

2
200311102017/05/07

抹茶ケーキ

0
かつて悪とみなされていた逸脱が病いと見なされ、医療の対象となることを医療化と呼び、その諸相を理論的・歴史的に分析。逸脱の医療化と犯罪化は、交互に訪れるみたいな話が後半に出てきて、それが面白かった。2017/01/29

396ay

0
卒論用。教育科学コース図書室より。「『逸脱』は<反=価値>を通して社会的価値と秩序を逆照射するものとして、社会理論、社会学理論の中核部分を構成するものであり、その『逸脱』領域における近年の重要な変動傾向が『医療化』であった…。この主題において、古典的研究と評しうる」のがこの本らしい!『医療化のポリティクス』いわく!2020/11/04

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