ひとつの土地にふたつの民―ユダヤ‐アラブ問題によせて

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  • サイズ A5判/ページ数 298,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622071778
  • NDC分類 319.28
  • Cコード C1010

内容説明

著者は、生まれ育ったヨーロッパから特殊な背景をもつパレスティナに居を移し、もともと住まうアラブ人を抑えてユダヤ人を多数派とすべく移住計画を進める動きに抗して、少数の反対派としての立場を貫いた。ユダヤ人とアラブ人の平和的共存、ふたつの民に共通の利益を差し出す二民族=国民国家の構想…。圧巻「マハトマ・ガンディーへの書簡」をはじめとする、1918年から1965年までに発表された論考66篇。

目次

大砲と国旗と勲章をもったユダヤ人国家?―一九一八年
決断に先立って―一九一九年
時すでに遅し―一九二〇年
ナショナリズム―一九二一年
アラブ問題決議への提案―一九二一年
アラブ問題をめぐる会議の決議―一九二一年
政治と真理のあいだ―一九四七年
シオニズム政治についての会議覚書―一九二一年
差し込む光―一九二二年
シオニズムと政治―一九二二年〔ほか〕

著者等紹介

ブーバー,マルティン[ブーバー,マルティン][Buber,Martin]
1878‐1965。ウィーンに生まれる。少年時代、ガリチアの祖父ソロモン・ブーバーの家で育ち、のちウィーン大学、ベルリン大学などで哲学・芸術史を学んだ。1904年の学位論文は「クザーヌスからベーメにいたる固体化の問題の歴史について」。青年期には政治的シオニズムの潮流に抗して、ユダヤ文化のため尽力、雑誌『ユダヤ人』『世界』などの編集に力を注いだ。1923‐33年、フランクフルト大学で宗教学とユダヤ教倫理を講ずる。23年に主著『我と汝』を刊行。38年ドイツを去り、エルサレムに移り住む。51年までヘブライ大学で社会哲学を講じた。多くの著作のほか、旧訳聖書のドイツ語新訳も高く評価されている

合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業。明治大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

8
合理主義の政治形態である一民族=一国家のナショナリズムに突き動かされる政治的シオニズムと決別し、ハシディズム の大衆化運動を支持した著者は、1938年ナチスから逃れてパレスチナに移住し、アラブとユダヤの共存を目指す「イフード」に関わって二民族一国家という困難な課題に向き合った。目指されたのは、近代国家が排除する他者との対話の実現だったという。著者の死後編まれた本書は、難民だったユダヤの民を現代のアラブの民に見出すようイスラエル政府に呼びかけ、異人を「歓待」せよという旧約の戒めを近代のユダヤ教徒たちに示す。2021/09/15

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