内容説明
トマス・クック、ヴィクトリア朝に不思議なほど合致するその生涯。自己の宗教的信念と現世の実利をたくみに一致させ、時代の要請に応えながら社会の改革を成し遂げた希有の人物。近代ツーリズムの創始者。小さな同族会社を世界有数の企業へと築き上げた希代の起業家。本書は、理想と現実の世界を見事に生き抜いたまれにみる人物の生涯の物語である。
目次
第1章 発端、一八四一年夏
第2章 ヴィクトリア朝と禁酒運動
第3章 鉄道の登場と大衆旅行
第4章 拡大する国内旅行とガイドブックの登場
第5章 カントリー・ハウス・ツアーとロンドン万国博覧会
第6章 ジョン・ブル、英仏海峡を渡る
第7章 さらに遠く聖地とナイル河へ
第8章 世界一周の旅と大陸列車時刻表の発刊