内容説明
モダンジャズ以降、今日までの三十年間に、ジャズは驚くほど変わった―アメリカ特産の芸術からの脱皮、世界各国で独自の創造的なジャズの発生、そして演奏形式の変化と完全即興演奏の出現。これら世界各国の現代ジャズは、各々の国の社会状況を反映したところから生まれた。文明の転換期である今日、世界情勢も激変する中で、北半球各国のジャズ状況はどうなっているのか。多くのミュージシャンの証言を引用しながら、文化論として世界ジャズの現代史を語る。
目次
第1章 アメリカ黒人ジャズの状況―60~70年代ニューヨーク
第2章 組織と集団の時代―60~70年代ニューヨーク・シカゴ・ヨーロッパ・日本
第3章 ニューヨーク白人即興派の台頭―80年代ニューヨーク
第4章 変革直前の西と東―80年代末東欧
第5章 ペレストロイカとニューアヴァンギャルド―80~90年代ロシア
第6章 伝統の新しい展開―80~90年代アジア・ニューヨーク
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tegege
0
教科書っぽくコンパクトにまとまりつつ、概要がつかめる。2014/12/30
ソントン
0
初、副島さんの本。とにかく現場主義の人なのだな、という印象。あと、とにかく面白いことが好きな人だったのだな、と。日本のジャズのことが少ししか書かれていないので、『日本フリージャズ史』を読むしかないな、と思った。2014/09/09
qoop
0
80〜90年代の前衛ジャズを紹介した本。個人的にフリージャズは殆ど聴かないので、そのへん知らないことばかりで興味深かった。特に東欧の状況は面白い。政治/芸術全般の状況を鑑みなければ理解しづらい流れもなかなかスムーズに紹介されている。が、その分興味のない人にはスルーしたくなる部分が多いのかな、とも。2010/09/15