内容説明
ご存知、シャーロック・ホームズの事件簿は、相棒ワトスン博士によって綴られたものであるが、これを読み解いてゆくと、そこには語られていない謎や真実の数々がかくされているのではないだろうか。この謎や矛盾をじっくりと分析、検討し、従来とはちょっと違った「ホームズもの」の鑑賞法を提供しよう。
目次
コナン・ドイルとホームズ物語
１ 「ノーウッドの建築師」徹底研究
２ 『パスカヴィル家の犬』を読み解く
３ 「株式仲買店員」の真相に迫る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
madhatter
2
ホームズ作品を一通り読んでからの方が無難。著者は金融畑の方らしく、金融史に関する考察は詳しい。また、様々な文献も参考にしておられるようだ。ただ、註や一覧を参照した限りでは、参考文献は概ねホームズ関連書ばかりである。その他の分野については、現代の尺度でホームズの時代や人間を判断しているように思えた。また、「仮定」に依存した論が多い上、書き方が小説なのか評論なのか曖昧な部分があるのも気に掛かる。つかこの方、直球でホームズのパロディ小説でも書いた方が良かったんじゃ。2011/05/25
kyu-n
0
「ノーウッドの建築士」「バスカヴィル家の犬」「株式仲買店員」の3編の研究。冒頭の最もページが割かれている「ノーウッドの建築士」がただ筆者の職歴と絡めた知識の披瀝に終始していてつまらなかったけれど、後2つはそこそこ。本文より脚注のほうが面白かったりして。2010/05/31
