蒲生邸事件

蒲生邸事件

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  • サイズ B6判/ページ数 427p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620105512
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

この国はいちど滅びるのだ―長文の遺書を残し、陸軍大将・蒲生憲之が自決を遂げたその日、時の扉は開かれた。雪の降りしきる帝都へ、軍靴の音が響く二・二六事件のただなかへ、ひそかに降り立った時間旅行者。なぜ彼は“この場所”へ現れたのか。歴史を変えることはできるのか。戦争への道を転がり始めた“運命の4日間”を舞台に展開する、極上の宮部ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

139
終盤は圧巻だった、一冊。良かった。主人公の孝史と同じくらい、自分には知識のない時代の事件。あの時代を自分なりの矜持で生きた人たちの思いをミステリを通じて教えられた時間だった。未来を歴史を知っているからこその思い、歯がゆさ。各自が選んだ道、平田さんの旅行者として成し遂げた人生、今を生きる大切さ。全てが心に響く終盤は圧巻。自分だったら?という問いと言葉にするのが難しい思いが心をめぐる。記憶をしっかり閉じ込め鍵をかけたようなラストシーンも印象的。自分まで静かに心に閉じ込めたくなるほどの思いに駆られた。2020/03/06

NAO

72
【歴史・時代物週間 参加】再読。二・二六事件に関わっていた人物の邸宅跡に建ったホテルに泊まった受験生が、二・二六事件当日にタイムトラベル。事件の内容より、タイムトラベラーの人物設定に興味を引かれた。タイムトラベルがタイムトラベラーに与える影響については、マイクル・クライトンの『タイムライン』でも扱われていたが、『蒲生邸事件』のタイムトラベラーたちもなんともいえない存在だった。2020/02/26

テクパパザンビア

62
面白かった。年越しで一気に読んだ、こんな小説が大好物。宮部みゆきに間違いはなし。面白かった。2018/01/01

りなお

43
図書館本。歴史物かと思ったら、タイムリープでした。蒲生邸の人々がそうしたように、歴史がどうあれ結局今の時代を懸命に生き抜くしか無い。伏線回収も良かったです。●働くことの意味が「現代」よりも、もっとずっと素朴ではっきりしている。煙草一箱でも人の手を介さねば買うことのできない時代には、煙草一個を売って釣り銭を受け取ることにも、それにふさわしいだけの重みがあったのだ。スイッチポンで事足りる時代に、「人間」でなければ出来ないことはごく限られている。2023/02/25

mymtskd

34
二二六事件というちょっと重い題材を扱いながらも、殺人ミステリーやバックトゥザフューチャー的な面白さもあり、また通してみると主人公の受験生孝史の成長物語にもなっていて、読後感の余韻がハンパない傑作です。2020/04/04

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