出版社内容情報
BBC放送での講演をもとにまとめられた時間についての多面的考察。時間概念の起源から生物時計,さまざまな時間の測り方,相対論・宇宙論における時間におよぶ。
内容説明
時間とはなにか?BBC放送での講演をもとにまとめられた時間についての多面的考察。時間概念の起源とその歴史を探り、記憶との関係、動物との比較から人間の時間感覚の特性を明らかにする。さらに、渡り鳥やミツバチの例をあげて生物時計について解説し、また機械時計から原子時計まで、さまざまな時間の測り方を述べると共に、一般相対論および宇宙論との関連において、時間の物理学的な意味をわかりやすく説く。
目次
1 時間概念の起源
2 時間と私たち
3 生物時計
4 時間の測定
5 時間と相対性
6 時間、重力、宇宙
7 時間の起源と時間の矢
8 時間の重要性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIRACLE
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数学者が、時間は普遍的で客観的であるという立場から、時間について論じた本(刊行は1972年)。時間の概念、人間の時間認識、生物の時間、時間の計測(ここまでは有用)、物理学的時間、時間の本質(=時間の推移性)について、順にあつかっている。全8章のうち、前半の4章までは、有益だった。しかし、後半の章は、いわゆる、機械時計の時間を前提とした話なので、場違いな内容である。人間の時間認知作用に由来する時間の主観性から、客観的な要因にもとづく物理的な時間について、扱う必要がある、と思う。時間を論じ損ねたという感じ。2013/12/25