出版社内容情報
読む行為そのものの中に〈倫理的瞬間〉が訪れるという視点から,読むという人間的営為を自覚的に遂行する方法を説く。脱構築批評により物語と倫理との関係を示す。
内容説明
読む行為そのものの中に“倫理的瞬間”が訪れるという視点から、それは何に対する応答、責任、敬意なのかを探るとともに、物語と倫理的規範との関係を示す。脱構築批評の立場から、読むという人間的営為を自覚的に遂行する方法を説く。
目次
第1章 読むことを読む
第2章 語ることを読む―カント
第3章 読解不可能性を読む―ド・マン
第4章 書くことを読む―エリオット
第5章 自己を読む自己―トロロープ
第6章 再ヴィジョンを再読する―ジェイムズとベンヤミン
著者等紹介
ミラー,ジョウゼフ・ヒリス[Miller,J.Hillis]
1928年、アメリカ合衆国ヴァージニア州に生まれる。ハーヴァード大学で修士号と博士号を取得。ジョンズ・ホプキンズ大学、イェール大学を経て、1986年よりカリフォルニア大学アーヴァイン校教授。近代言語協会(MLA)会長を務めていた1986年に来日講演。主著に、『チャールズ・ディケンズ』、『神の消失』、『リアリティの詩人』、『ヴィクトリア朝小説の形態』、『トマス・ハーディ』、『小説と反復』(英宝社)、『言語的瞬間』、『読むことの倫理』(本書)、『アリアドネの糸』、『イラストレーション』、『ブラック・ホール』がある。アメリカの文学研究の第一線につねに立ち、精力的に批評活動を続けている。知の無根拠性という困難な状況の中でこそ、読むという人間的営為をますます自覚的に、かつ執拗に続けなくてはならないと説く
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