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出版社内容情報
ヤコブソンの構造主義詩学の根本命題を基点に,文学テクストの無限の展相的生成の力学を解き明かす。ベンヤミンとデリダを綿密に読解しその理論の関連づけを図る。
内容説明
「詩の構造とは連続するパラレリズムの構造」とするヤコブソンの構造主義詩学の根本命題を基点に、そこに欠落する理論的基礎づけをロマン主義詩学から導出し、文学テクストの無限の展相的生成の力学を解き明かす試み。ベンヤミンとデリダを読解しその理論を関連づけ、初期ロマン主義詩学の明証化を図る。
目次
1 パラレリズム、韻、詩的反省
2 ヴァルター・ベンヤミンによるロマン主義反省理論の叙述
3 産出および絶対的総合としての反省―非再現前化主義的な自己二重化モデルの根本規定(記号、言語、表出)
4 初期ロマン主義の超越論哲学、神秘主義、幾何学、修辞学、テクスト理論、文芸批評の収斂点および消尽点としての反省的「屈折」の脱自的「遊動」
5 ロマン主義の絶対的自己反省理論のシステム理論と歴史哲学における消尽点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwri
3
ヤコブソンの構造主義詩学とベンヤミンのロマン派論文を参照しつつ、初期ロマン派の無限の反省に基づく詩学をデリダの差延の理論の先駆け的な理論構想として再評価する。通俗的に、幻想的・唯美主義的な、つまりロマンティックな詩人として捉えられているロマン派を、その哲学的基礎付けから現代の先駆者として描出する点は面白い。ただし、ことノヴァーリスにおいては彼の神秘主義的文脈は(おそらく意図的に)捨象されており、今泉文子がメールを引いて言うように、現代的なものとあまり無媒介に結びつけてはならない点は留意すべきである。2012/06/12
ぷほは
1
社会学者の卵がひとりで読むにはキツイ本だった。初期ベンヤミンの反省理論からノヴァーリス・シュレーゲルといったドイツロマン主義の議論が再考され、デリダやルーマンといった現代思想家たちの先駆的な自己超出・自己回帰の概念が見出され、補強されていく。この本は、例えば片桐『自己の発見』などを学説史的にお勉強し、社会学やナラティブ・アプローチなどの臨床分野で学んだ自己概念の不徹底さを徹底的に破壊してくれた。到底「読めた」とは言えない程恥ずかしい理解度だが、社会学における「再帰性」概念の混迷具合を考える機会にもなった。2015/04/03
陽香
0
19920229
星規夫
0
予備知識なしで読むべきじゃないなこりゃ。2012/10/29