内容説明
実母を処刑した白雪姫、魔法の力を借りなかったシンデレラ…など、6編を収録。
著者等紹介
桐生操[キリュウミサオ]
女性2人の共同ペンネーム。共にパリ大学(ソルボンヌ大学)・リヨン大学に留学、共にフランス文学や歴史を専攻する。帰国後、共同執筆を開始。以来、ルネサンス期を中心とした西洋史人物の評伝をはじめ、歴史の知られざるエピソードを次々と発表し、好評を得ている。著書には、ベストセラーとなった『本当は恐ろしいグリム童話』『本当は恐ろしいグリム童話II』をはじめ、『世界史悪女のミステリー』『ヨーロッパ歴史と謎の不思議事典』(当社刊)の他、『王妃カトリーヌ・ド・メディチ』『イギリス怖くて不思議なお話』『美しき拷問の本』など、多数ある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
110
視点を変えて解釈も変える、ということはよくやるけれども、ここまで変わるとつい笑ってしまう。残虐性や暴力性は当時の処刑史など読むとリアリティもあるし、エロティックな部分をクローズアップするとこうなる、というのもちょっとわかる。でも決して、「原作者は本当はこう思って書いていた」わけではないことを念頭において、読むべきと思った。そして白雪姫やシンデレラ、カエルの王子様などなじみ深い物語から、何を読み取るかという意味では、すごく面白いパロディだったと思う。2013/09/26
やせあずき
68
読友さんのオススメ。グリム童話は、心優しいグリム兄弟が、子供たちの健やかな成長を願って、母親が読み聞かせるために作ったものだと思っていましたが、もともと「童話」どころではなく、エロチックでホラーな物語を最終的に童話に書き替えたものだったと知り、驚きました。白雪姫もシンデレラも、初版の生々しいところが削られて、なんだか別物の話になってます。ひょっとして、日本昔話の桃太郎や鶴の恩返しや浦島太郎にも、想像を絶するような初版があったのかも、と妄想してみるのも面白いかも知れません。2015/07/27
坂城 弥生
43
昔流行ってたなぁと思い当時は読んでなかったので、読んでみました。2021/09/13
セウテス
36
日本では珍しい事ですが、このグリム童話集は七回も改訂されているんです。日本人が通常知っている作品は、この第七改訂版の話らしいです。ソコでこの作品は改訂前の、結構キツイ表現である本来の話だと、こんな風な世界観ですと教えてくれています。一つの話が終わると、作品内のキーワードの意味合いや、時代背景を説明してくれます。たいへん有難いのですが、示唆する戒めや人生においての指示は、色々な解釈が出来てしまうのではと思います。本当に、怖い、恐ろしい文章を覚悟して読みましょう。2014/05/28
千穂
34
先日読んだ宇佐美まことの虹色の童話つながりで読んでみた。何年か前に話題になった本だと思う。元々のグリムはかなりエログロで何度も書き直してようやく子ども向けの童話となったんだなぁ〜中世ヨーロッパ、魔女狩りのイメージですな。2019/02/04