福田和也コレクション<br> 福田和也コレクション〈1〉本を読む、乱世を生きる

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福田和也コレクション
福田和也コレクション〈1〉本を読む、乱世を生きる

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  • サイズ 46判/ページ数 824p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784584139257
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

社会、国、人間関係、自分の将来に
不安や絶望を感じている読者へーーー。
学び闘い抜く人間の「叡智」がここにある。

文藝評論家・福田和也の名エッセイ・批評を初選集!!
◆第一部「なぜ本を読むのか」
◆第二部「批評とは何か」
◆第三部「乱世を生きる」
総頁832頁の【完全保存版】

◎中瀬ゆかり氏(新潮社出版部部長)
「刃物のような批評眼、圧死するほどの知の埋蔵量。
彼の登場は文壇的“事件”であり、圧倒的“天才”かつ“天災”であった。
これほどの『知の怪物』に伴走できたことは編集者人生の誉れである。」

◆時代に屈しない感性と才覚をいかにして身に付けるか◆

本を読むのは、人生を作ること。
生きることを、世界を、さまざまな人々を、出来事を、風景を、しっかりと味わい、その意味と感触を把握し、刻み込むためには、最高の訓練だ。
本はただ味わいを作りだすだけではない。
読書は、時間を作りだす。(中略)
書物には時間は組み込まれていない。ただ、紙に印刷された文字があるだけだ。
書物の「上演時間」は、人によって千差万別である。
しかもそれは、まったく作品自体によっては決定されない。
ただ読者によって、つまりは読み、理解し、想起するという精神の働きだけによって決定される。
このことの恐ろしさ、面白さを理解できるだろうか。
(「本は、人生を作る」より)

人にたいする好奇心は、麗しい人類愛にくらべれば、遥かに俗っぽいものでしかありません。
けれども好奇心は、人間の悪徳や醜悪さに負けません。悪や醜さは好奇心にとっては、意気を阻喪(そそう)するものではなく、むしろ美味なものです。
好奇心は、人間にたいする絶望的な真実にも、耐えることが出来ます。それは美しくはないかもしませんが、人間という卑小で俗にまみれた存在を、最終的に肯定する力をもっているのです。
さらに云うならば、人間にたいする好奇心は、人間だけで成り立っている世間、世の中にたいする興味であり、そこで積極的に生きるための、大きな支えになるのです。
人にたいして好奇心をもつことは、本書のもっとも大きなテーマである、果敢に現世を生きることの、核になりうるのです。それは、生きること自体への興味を深めてくれます。
(「悪の対話術」より)

カバー装画◎大竹伸朗/装幀◎鈴木一誌

目次

第1部 なぜ本を読むのか(ろくでなしの歌;贅沢な読書;悪の読書術)
第2部 批評とは何か(人間の叡智と愚かさ;絶望の果ての跳躍;グロテスクな日本語)
第3部 乱世を生きる(危機的存在と独立自尊;価値ある人生のために;人でなし稼業;人を斬る覚悟があるか;悪の対話術;人間の器量;)

著者等紹介

福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。同大学院修士課程修了。慶應義塾大学環境情報学部教授。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、96年『甘美な人生』で平林たい子賞、2002年『地ひらく 石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、06年『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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tamami

44
800頁を超す大冊。福田さんの著作を目にする度に手にして、大胆な切り口に心躍らせながら読んだのは20年ほども前だったか。小説の書評一つにしても、作者の人生の深奥まで踏み込んで、作品が生み出された背景を教えてくれる…。本冊の前半はそんな書評、批評がザックザック。流し読みした部分はまたじっくりと読むことにしよう。後半は、若き社会人に向けての人生訓といった感じで、雑誌中心の掲載もあって初見の文章が多く、著者の別な一面を見る思いがした。日々周囲を注意深く観察し、考えて振る舞う。今を大切にする等々。心に響いてきた。2021/04/25

Kooheysan

1
初めての福田和也さんの本でしたが、大変楽しめました。読書について、批評について、生き方についての多種多様な論考が読めます。章によっては(最後の初出一覧を見ると)これまでの著作の抜粋になっており、そういう意味で「コレクション」ということのようです。2023/01/13

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