内容説明
「守破離」の思想とは、覚性に至る修業者の行動様式を示す心性の筋道である。守とは先人の教えを習い覚えるもの、破は一途に己自身を磨き叩くもの、離は真理を気得・体得した心魂の姿ということになろう。本書は、あらゆる芸道・事業道の世界に生きる「守破離」の思想を語った労作である。
目次
道の思想
禅と守破離
能と守破離
茶道と守破離
武道と守破離
現代人と守破離
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とりもり
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日本は何でも「道」として究めんとする精神論的な風潮があるが、その究極の段階が「離」だという。但し、それは誰でも到達できるものではなく「破」の段階にとどまっている人も多い(著者によれば宮本武蔵も「破」の人とか)。師の教えを忠実に守る「守」から、その教えを超えていく段階の「破」。そして、禅的な思想をも会得した上で辿り着ける精神的な境地の「離」。この境地に辿り着くと、殺人の手段たる剣術も無刀の人を殺さないものに昇華する。それを表現した言葉はごくシンプルだが、本当の意味を理解することは難しい。深いな。★★★★☆2022/01/22