出版社内容情報
いま、日本社会に広がる格差と不平等。その行き着く先は、英国型階級社会だ。在英生活でつぶさに見た階級社会への実像を盛り込んで、日本型ネオ階級社会への警鐘を鳴らす。
内容説明
いま、日本社会に格差と不平等が広がりつつある。「アメリカ型の競争社会を」という掛け声のもと、実際に進んでいるのは「イギリス型の階級社会化」だ。世代を超えて経済格差が継承されるだけでなく、意欲や希望といった内面までも生まれ育ちで規定され、たがいに交わらぬ「別世界」に人びとが生きる社会…。一〇年にわたる在英生活で階級社会をつぶさにみた著者が、日本の“ネオ階級社会化”に鋭く警鐘を鳴らす。
目次
第１章 あなたが知らない階級社会
第２章 総中流からネオ階級社会へ
第３章 格差の個人史
第４章 つぶさに見た階級社会
第５章 あえて階級社会を擁護する
第６章 ネオ階級社会へと向かう日本
第７章 ネオ階級社会は「日本病」への道
著者等紹介
林信吾［ハヤシシンゴ］
１９５８年東京都生まれ。神奈川大学中退。８３年に渡英、８７年に「英国ニュースダイジェスト」の記者になり、９０年に「欧州ジャーナル」を創刊、初代編集長となる。９３年に帰国、以降作家・ジャーナリストとして執筆活動を行っている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわん
9
2005年4月の本。本当のイギリスの様から、なぜか映画「小さな恋のメロディ」を思い出しつつ。「教育」という社会を管理(コントロール)できる道具を、今、日本は誰に委ねているか？この国は確実に「世襲」という封建的な制度に立ち返ろうとしている。辛いが、まま面白かった。2019/08/29
結城あすか
4
日本が格差社会になりつつあるという言説が広く語られ始めてしばらくたつけど、日本で起こってる格差社会化はアメリカ型の競争結果による格差が大きい社会ではなくて、イギリス型の生まれついてから格差が固定される階級社会だという話にょ。読んでてしばしば鼻につく文言が気になったんだけど……ま、他人の著作を引き合いに出して欠点を批判するのは構わないけど、それと対照に自分の本を素晴らしい素晴らしいと自己陶酔に浸ってるのはウザイだけだからやめろにょ。2006/12/25
砂王
3
読みやすいゆえの内容。おすすめはしません。2016/03/27
風見じじい
3
イギリスが階級社会で、固定化された意識と違う層はあちらの世界として係らないという。日本は総中流社会だと思っていたのがバブルが弾けて以来、いつの間にか階層化され、固定化しつつあるのではないか。それは下層に固定化された人々のモラルを低下させ、社会の活気をなくすことになると言っている。2014/08/02
makkachinn
2
イギリスのバーとサルーンに見る階級の違い。そこから筆者の経験を踏まえて日本の貧富の格差について説く。はじめて海外に接触したのは武士階級の官僚たちで、その印象から「エコノミック・アニマル」と呼ばれるようになったらしい。今は水吞百姓ですらネットで海外とやり取りでき、海外から見える日本の風景が全く変わったということだろう。・階級と収入の固定化は確かだろうが、根拠となる数値データが少ない。2017/11/21
