平凡社新書<br> 犯罪被害者―いま人権を考える

平凡社新書
犯罪被害者―いま人権を考える

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  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582850215
  • NDC分類 326.3
  • Cコード C0232

内容説明

すべては「性暴力を考える」ところから始まった。犯罪被害者の取材を通して見えてきた驚くべき「現実」。なぜ彼らの人権の問題は置き去りにされてきたのか。まず被害者の言葉に耳を傾けてほしい―。そして今、法制度、相談・支援対策はどうなっているのか。急速に動き始めた日本の現状を追究する。暴力に満ちた現実を変えるために、報道の現場から発信された渾身のレポート。

目次

1 見えない地平―置き去りにされた被害者 1998
2 教わったこと
3 動き始めた被害者支援―日本の現状 1999
4 “先進国”イギリスを取材する(1988)
5 原点としての「性暴力を考える」(1996)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

14
本書が出版された1999年は日本における犯罪被害者支援のまだまだ黎明期であり、自分が被害にあった事件の裁判の経過すら知らされない驚きの実態や、急激な捜査による負担、無理解による二次被害など司法の枠組みから置いてきぼりにされる被害者とその家族たちの肉声に胸が詰まるような思いになる。現状の制度や改善の展望、英米での取り組みにも詳しく、刑事事件における「公権力対個人」という枠組みから外れる、いわば法思想の盲点だった犯罪被害者の問題から犯罪を眺め直す白熱のレポートだ。今でも完全に改善されたとはいえず一読の価値あり2016/10/26

B.J.

9
●被害者憲章(イギリス) :「あなたがどのように取り扱われようと、被った被害を取り戻すことはできません。けれど、犯罪の後の手続きが、犯罪により被った傷をより悪くさせることがないようにすることを、私たちは目指しています。」 ●被害者の立ち直りに必要なもの :理不尽な出来事を繰り返し話せる場所と、人があること。 ●立ち直りには、一般に思われているより、はるかに長い時間が必要。早く忘れなさい・1年経つんだから・・・は、励ましにならない。・・・本文より 2020/02/22

B.J.

8
●被害者の立ち直りに必要なものとして :理不尽な出来事を繰り返し話せる場所と、人があること。自分でもどんどん湧き出てきて話が整理できない。それを何ら批判されることなくきいてもらえることが必要。 :被害者同士で、世間の目を気にせずに、心おきなく子供の自慢話をしたり、周りの心ない言動でこんな風に傷ついたと話したり、泣きながらでも話せる場があること。但し、被害を比べないこと。「○○の被害の方がもっと大変」「あなたはまだ、もう一人子供がいるじゃない」等。・・・本文より2020/03/21

おらひらお

4
1999年初版。やや古いですが、犯罪被害者について考える本です。被害者の話を聞くと、何とも言えなきもしますが、どこまで警察や検察に求めていくのかも問題だと思います。本書でも指摘してあるように市民団体や互助組織の充実に期待したいところです。あと、著者はマスコミ関係者ですが、マスコミが被害者に与える暴力というか被害についての言及がやや足りないような気もします。2013/09/11

ま い

3
(※2009年4月20日 初版第2刷を読んでの感想です。)犯罪加害者家族の人権について研究をすすめるうえで、被害者についても知っておかなければと思い、読んだ本です。内容は基本的に1999年に発行された初版第1判のままになっているのですが…。それから14年経った今でも被害者の人権が配慮されていない、まだまだ改善すべき点があるのではと強く感じられたのが残念でなりません。決して他人事ではありません。正解はないとも思います。だからこそ、多くの人に考えてもらいたい。考えて下さい。2013/10/13

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