内容説明
『おだんごぱん』『てぶくろ』『あかずきん』『こびととくつや』―ロシアの昔話やグリム童話を題材に、昔話のふしぎな世界、また昔話絵本のすばらしさを、わかりやすく解き明かす。
目次
日本の昔話にみる伝承の知恵
昔話の主人公はなぜ成功するのか
ロシアの昔話絵本(『おだんごぱん』の語り;『てぶくろ』の秘密)
グリム童話絵本(余白と描き込まれた細部―リスベート・ツヴェルガーの『あかずきん』;小さな人間と大きな小人―カトリーン・ブラントの『こびととくつや』)
著者等紹介
藤本朝巳[フジモトトモミ]
1953年熊本県生まれ。青山学院大学英米文学科卒業。米国ポートランド州立大学留学、白百合女子大学児童文学科博士課程修了。現在、フェリス女学院大学文学部英文学科教授。日本イギリス児童文学会理事(東日本支部長)。絵本学会運営委員。JBBY(日本国際児童図書評議会)、日本口承文芸学会等会員。著書に『昔話と昔話絵本の世界』(2001年度日本児童文学学会奨励賞受賞)ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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おはなし会 芽ぶっく
20
昔話絵本『 おだんごぱん / てぶくろ / あかずきん / こびととくつや 』について分析・解説されている本。余白の使われ方や意味、テクストの位置など素人には新鮮なことばかりでした。時代背景や画家の手法なども。2022/03/21
pocco@灯れ松明の火
12
有名な絵本6作品を絵とお話の2点から分析し、話のリズムや伝承の価値を紐解く。>とても分かりやすく講義を受けているかの様に優しく丁寧に説明されている。絵本好きな方なら一度読んでみては。昔話の絵本の読み聞かせのいいが、やはりここは「語り」。言葉のリズムを楽しむように語れたら、子どもらに伝わるものも多いはず。2012/03/08
さくらもち
3
著者の大学での連続講義「子どもに伝えたい昔話と絵本」の後半をまとめたもの。前半の内容は『昔話と昔話絵本の世界』。 1・2章/日本の昔話の中に伝承されてきた知恵。3・4章/『おだんごぱん』『てぶくろ』のテクストとイラストレーションについて。5・6章/グリム童話絵本を用いて昔話絵本について考察。とてもわかりやすくて勉強になった! 改めて昔話の奥深さを考えさせられる。専門的ではあるけど、とても大切なことを伝えてくれるので、お母さん方も読んでみて損はないと思う。2011/10/04
タール
1
昔話の構造が細かく読み解かれている本。数ある名作の中からさらに選りすぐった作品を教えてもらえました。それらはぜひ手元に置きたいと思います。「子どもは怖い話も、おかしな話も、知恵を使う話もたくさんの真実を切に知りたがっているのです」2018/05/21