平凡社ライブラリー
わが旧牧師館への小径

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  • サイズ 文庫判/ページ数 143p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582765618
  • NDC分類 934
  • Cコード C0398

内容説明

不朽の名作『緋文字』で知られるアメリカ・ロマン派の文豪ホーソーンには、もう一つの魅力を秘めた随想の傑作があった。エマソン、ソローなどの回想とともに、ボストン郊外コンコードの自然、四季、生活を綴った珠玉のネイチャーライティング。ホーソーン文学理解の鍵的エッセイ、本邦初訳。

目次

神聖な旧牧師館の住人となりて
歴史の証人が佇んだ書斎の窓辺
たゆたうコンコード川
伝説の犠牲者たち
インディアンたちがいた風景
戯れる果実たち
家庭菜園からの恵み
雨に煙る旧牧師館
屋根裏部屋の秘密
簇葉を映す風雅な川面
詩情が漂う小森
コンコードに訪れる初秋の香り
やすらぎの里
哲人エマソンに逢いたくて
暇の訪れ
閑静な住居をあとにして

著者等紹介

ホーソーン,ナサニエル[ホーソーン,ナサニエル][Hawthorne,Nathaniel]
19世紀アメリカ・ロマン派の文豪。1804年7月4日、マサチューセッツ州のセイラム生まれ。1828年に処女作『ファンショー』を自費出版、以後、短編集『トワイス・トールド・テイルズ』、つづく短編集『旧牧師館の苔』で人気を博す。1850年の名作小説『緋文字』で大作家としての地歩を確立。晩年は、コンコードで文学活動を続けたが、1864年5月19日にニューハンプシャー州のプリマスで客死した

齊藤昇[サイトウノボル]
1955年、山梨県生まれ。立正大学文学部教授(アメリカ文学専攻)。国際異文化学会会長。(財)日本英文学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

69
ホーソーンが新婚の3年を過ごした旧牧師館。19世紀のコンコードは、自然豊かで、いたるところに森があり、少し先にはソローが自給生活したウォールデン湖があった。また、旧牧師館の近くには、独立戦争の発端の地となったノースブリッジがあり、歴史的な土地でもあった。さらに、ホーソーン、エマソン、ソロー、ルイザ・メイ・オルコットの父親など、文学者たちが集まる地でもあった。『わが旧牧師館への小径』は、とにかく、自然描写が美しい。今この作品から感じるのは、古き良き美しきボストンだ。2020/08/15

SIGERU

22
コンコードの四季をみつめて、旧牧師館で過ごした三年間をスケッチした随想。当時ホーソーンは、短篇集を世に問うたものの、文名は容易に上がらなかった。だが、彼は構想していた。野心的な長篇小説を。「深遠な道徳と、偏見のない宗教観。しっかりした内容と厚みを伴った小説を書き上げてみよう」。『緋文字』である。滔々と流れるコンコード川に遊び、薪を拾っては、森の匂いがする野趣豊かな昼食を娯しむ。アメリカ的な自然のふところに抱かれた生活。それらは、内なる体験として深く沈潜し、結晶する。雌伏の三年が、不朽の名作を生んだのだ。2022/01/25

qoop

4
自然の情景と二重写しでコンコードの街が重ねてきた歴史を描出しようとする文章は写実的というよりもむしろ素朴で、当地の雰囲気を上手く伝えてくれる印象。また、pp35~37で触れられている旧牧師館に出る幽霊の挿話は短いながらも収穫。アメリカンゴシックの世界を育む環境に触れた感じで。さらりとした一文だが、著者の出身がセイラムと聞くと背中がざわつく。しかし本文がこれほど短いとは思わなかった。本文と訳者解説が半々という分量比から、授業テキストとして訳出されたものかな?と感じたがどうだろう。2015/10/12

モーリーン

3
こんなんだったっけ! 記憶よりサッパリしていた!2018/04/29

ワッピー

3
ホーソーンが住んだ旧牧師館およびコンコード川周辺の自然の美しさや周辺の歴史を随想風にスケッチした小作品。原文の雰囲気を残し、品格を重んじたのかもしれませんが、なかなか頭に入らない本文に比べて、訳者解説は高速道路をかっ飛ばしているような読進感(勝手な言葉を作らないように・・)でした。「文学って難しい」という問題だろうか…2013/06/26

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