内容説明
仕事場で、学校で、公園で、人びとが幾度も唱えた毛主席の言葉、言葉、言葉。天安門広場をうめつくす紅衛兵が手にしていた、あの赤い冊子はなんだったのか。世界を揺るがした「文化大革命」とは、いったい、なんだったのか。
目次
共産党
階級と階級闘争
社会主義と共産主義
人民内部の矛盾の正しい処理
戦争と平和
帝国主義とすべての反動派はハリコの虎である
敢然と戦い、敢然と勝利せよ
人民戦争
人民の軍隊
党委員会の指導〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
22
「『しっかりつかむ』必要がある…なんでも、しっかりつかんで、手をゆるめずにいてこそ、逃さずつかむことができる。つかんでも、しっかりでなければ、つかまないのと同じだ…」 同じく紅迷の罠に陥った一人として、こんな過去の恥部のような文章が本にでもなった暁には、もう毛さんは愛らしい林黛玉に口を利いてもらえなかったんだろうなあ、と気の毒になりながら読み進める。明らかに詩才のなさそうな編集責任者が、まえがきで自分はそこそこの文章を書いておいて、国の内外を飛んで毛さんの黒歴史をふれ回るわけですから、これは撃墜も止む無し2016/10/25
白義
14
これは編集が素直に凄い。アジテーション、政治的自己啓発としてひとつの頂点ではないかと思う、言葉の魔術的なまでのリズムが読者の精神を躍動させ、結果的にそれにより共産党イデオロギーに同化させていく。友敵図式が歴史を貫く原理にまで徹底され、読者がそれを頭に入れる結果自ら大衆、党員として歴史に参加する錯覚を得る。誤解を恐れず言えば力能的エクリチュールの呪術が全編に満ちている。しかもそれぞれの語録は、結構普通に実践的なヒントにも満ちていて、つくづく毛沢東は怪人的な男だと思ってしまう2012/11/07
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12
ファシストを自称する後輩になぜか勧められて読んだ。共産主義者のための自己啓発本、あるいは良くできたbotだった。編集がうまい。2017/09/14
CCC
8
「毛沢東思想は~修正主義および教条主義に反対する強大な思想的武器である」 おう。教条主義にこんなに反対してるとは。行動からは言ってる事は読み取れないものだ。大衆と一体化せねばならない、下の意見は必ず聞くべきで、決して力で押さえつけてはならないとも述べているし、大国主義を否定したりもしている。いやー分からない。敵と味方をはっきりさせる事の重要性、敵を打ち倒し勝利しなければならない事、平和はその次である事等も説いている。行き過ぎた自由にも反対している。こっちはよく分かる。いかにも言ってそう。2017/09/06
荒野の狼
7
本書を毛沢東あるいはマルクスレーニン主義の入門書と紹介されていることがあり、実際、中国では当時、子どもも含む幅広い年齢層が所持し、世界的にも記録的な出版数を誇った。しかし、内容を実際に読んでみると、内容は、複数のトピックごとに(「テマティックに編集p303」、毛沢東が執筆したものから数行から1ページくらいの長さを引用した文書を年代順を無視して配列されたp303もの。各トピックの章を読んでも、まとめが一切なく、ひとつのトピックですら、全体として何がポイントなのかの把握はできない。従って入門書としては不適当。2023/03/13