内容説明
トリスタンとイゾルデの物語の背後にはいったい何がひそんでいるのか―。ヨーロッパ文化の成立と歴史を、キリスト教的な愛=アガペと、西アジア的な愛=エロスとの融合と相剋として説く刺戟的名著。
目次
第1の書 トリスタンの神話
第2の書 神話の宗教的起源
第3の書 情熱と神秘主義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
12
「愛することを愛する」情熱(=苦悩)が死へ向かう、という西欧の愛のかたちを摘出する分析は面白いし、その通りだろう。トリスタンとイズーの物語が題材にされている。それが前半で、半ば〜後半は神秘主義やカタリ派やアラビアからの影響を論じているが、なんとなく混線している感があり、説得されない。2019/01/06
j1296118
0
マニ教やカタリ派とトゥルバドゥールの話が(妥当なのかは判断できないのでさて置き)面白かったので、反論含めた同系のも読んでみたい2015/11/04
juntaku
0
学生時代以来の再読。1930年代に書かれたものとは思えないほど、新鮮。ロマンチックラブに潜む「死に至る愛」をトリスタンとイゾルデを題材に分析する手つきは見事。2009/07/17