コロナ・ブックス
クレーの詩

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  • サイズ B5判/ページ数 142p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582634082
  • NDC分類 941
  • Cコード C0071

内容説明

ことばと絵画のハーモニー。10代の頃の恋愛詩から絵画理論を思索した詩まで全104編。パウル・クレーの創造の源泉をたどる。

目次

1 初期の恋愛詩そのほか
2 イタリア旅行 修業時代
3 ミュンヘン
4 バウハウス以降

著者等紹介

高橋文子[タカハシフミコ]
横浜生まれ。上智大学でドイツ文学を専攻、博士前期課程修了後ミュンヘン大学にてドイツ文学・哲学・ドイツ語教授法を学ぶ。ドイツ文学誌「DeLi」でマルセル・バイアー、トライヒェルなど、主にドイツ現代詩人たちの作品を翻訳。東京ゲーテ・インスティテュート非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

72
パウル・クレーは、スイスの画家で、カンディンスキーらと「青騎士」を結成。イタリア留学の間遠距離恋愛だった恋人を思って書いた恋愛詩。将来への不安を記した詩。強い自我を主張した詩。クレーは、自我とはひとつのものではなく、いくつもの要素がはなれがたく共存していると考えていた。彼にとって、絵や詩は、そういったたくさんの自我を表す場。さまざまな色、さまざまな言葉で。2019/12/05

nobi

64
どうしても画家クレーが書いた詩として見てしまう。彼の絵を手がかりにして読み解けるのではないかと。でも意外に視覚的表現が少ない。彼が親しんでいたというゲーテとかヴォルテールなどの文学風土には和歌に対するような乏しいながらも多少働く土地勘もない。部分部分は追えても断続的で飛躍する言葉の指し示すところを汲めない。少し近づけるのは1930年代(50歳台)。彼の画を言葉にするとこんな感じか。むしろ絵とか資料の方に目が行ってしまう。高校時代のラテン語の教科書のいたずら書き!解析幾何学のノートの美しい手書きの図と数式。2020/11/29

傘緑

43
「ぼくはささやかな民謡のように、簡素でありたい。無邪気で感覚的でありたい」「フォルムの動きとしての創生こそ、作品の本質的なもの。初めにモティーフ、エネルギーの入力、精液ありき…ぼくの素描は男性的な領域に入る」なるほどクレーの描くあのグロテスクと可愛さを半ばする天使たちはホムンクルスなのですね。「創造は、創世記となって、作品の、目に見える表面の下に生きている。知的な人間はそれを、さかのぼって見る。前に向かって、未来へと、見るのは想像者のみ」ベンヤミンの言う新しい天使そのままである。人間を見守る無力な天使の詩2016/12/26

S.Mori

10
クレーの詩と絵が収められています。完成した作品だけではなく、素描も収録。言葉と絵が一体になって、ユニークな世界が作り上げられています。クレーの詩は詩人が書いたものと異なっています。自分自身と対話するようなものが多いです。「祈るがいい、わが魂に忘却を与えたまえ、迷うことができますように、と」(63ページ)。クレーは他の誰にも真似ができない独創的な作品を作り上げた人です。そのような人物にとっては、創造的に生きるのが何よりも大切だったはずです。本を読むだけで創造的に生きるのは不可能です。(続きます)2019/10/04

ちあき

7
わたしのなかの悲しみの砂漠には / ときおり怒りの風が吹きあれる / 取りかこむ苦しみの海には / ときおり微笑の波が打ちよせる / 歓びの歌もかすかにきこえてくる / 吹きよせられたものたち流れついたものたちが / わたしに教えてくれる / 生きることはひとつの謎なのだと / 解けても解けなくともよい謎なのだと / クレーの天使は / 歌わない 語らない / 告げない 讃えない / ただそこにいる2013/03/17

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