感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゃもじ
2
よく言われるジャンヌ・ダルクとの関わりについてはほとんどでてこない。どちらかというと、ジル・ド・レ本人の気質や時代背景、周囲の環境に踊らされていかにあの忌まわしい犯罪を引き起こすようになったかという考察が中心。これはこれで興味深かった。2012/02/25
igi_tur@Le livre
2
ジャンヌ・ダルクと共に闘い、フランス救国の英雄となった大貴族ジル・ド・レ。ジャンヌ処刑後、ソドミーと黒魔術に溺れたジル・ド・レの裁判の記録。中世の野蛮な聖性=至高性が、近代に近づくなかでいかに生きづらくなっていくか、という記録でもある。古文書を扱うバタイユの図書館員としてのキャリアが珍しく生かされている。
hechima1106
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NC
卯月
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再読。男色、少年大量殺人、降魔術などの罪で処刑されたジル・ド・レの裁判記録に、著者が「ジル・ド・レ論」と年代記を附して刊行したうち、論と年代記の日本語訳+訳者の解説。地図などの付帯資料はないが、とにかく年代記が詳しくて良い。ジャンヌ・ダルクの戦友ジルは『傭兵ピエール』では変態貴族、『ジャンヌ・ダルク暗殺』ではダークヒーロー的に描かれるが、先に本書を読んだ私は、ジル=野蛮な馬鹿とインプットされている。野蛮だけど狡猾な祖父の没後に犯罪の最後の一線を越える辺り、祖父の影響が非常に大きい。ジャンヌあまり関係ない。2013/08/27
なつき
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ジル・ド・レに関しては、間違いなく最も詳細な本。2010/02/26