内容説明
探索の腕と剣技は抜群なのだが…北の定町廻り同心神谷玄次郎、今日も蔵前の小料理屋の二階で、岡っ引き銀蔵から事件の知らせを受ける。出欠常ならず町回りも怠る自堕落な生活は、母と妹を惨殺されたという暗い過去の落とす影なのか―。様々な人間模様をおりなす江戸の町を舞台にくり広げられる、著者独特の連作捕物帖。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka9999
13
1997年?、双葉社のノベルス版。8編。自堕落な主人公というのは時代小説連作の主人公としては比較的珍しいか。それにしても事件が起きると人が変わったように勤勉になる。連作を貫く過去の事件がそうさせているのだが。それにしても過去の事件の解決のあっけなさは何ともいえない。この主人公ならずともうつろな気分になる。2023/09/08
山内正
2
おひでは寝付かれず台所で水を飲もうとしてドスンドスンと人の倒れる 音を聞く 夕方息子と後家の子供が 駄菓子屋で捕まって詫びを入れ相手の後家と喧嘩になったのを思い出した 近くの店の女中が息子に犯され たが知り合いの男が腹いせの喧嘩だったが玄次郎は男の素性が良く納得出来ないでいるが次第に暴かれて行く。 2018/04/23
ねね
1
「霧の果て」の題名で以前読んだのを再読。まだ読んでないのがあったと、喜んで手にしたのだが。 再読でも新鮮でした。主人公は剣技に加え探索の腕は抜きん出ているけど役所の評判はよろしくない。このサボリの同心はなぜやる気がないのか、読み進めるにつれて納得し堪能しました。2011/10/21
沼田のに
0
勤務態度の芳しくない定町廻り同心の設定になってるけど人一倍の大真面目同心だ。6/102013/04/05