PHP新書<br> ヨーロッパから民主主義が消える―難民・テロ・甦る国境

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PHP新書
ヨーロッパから民主主義が消える―難民・テロ・甦る国境

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569827919
  • NDC分類 319.3
  • Cコード C0231

出版社内容情報

ギリシャで始まった民主主義をいまドイツが滅ぼそうとしている。ドイツの行動原理を知り尽くした評論家が現地から届ける衝撃レポート。

【著者紹介】
評論家

内容説明

かつてEUが誕生したとき、ギリシャに「国境なき医師団」が入り、「ドイツ帝国」の復活が危ぶまれ、テロの嵐が吹き荒れることを誰が想像できたか。民主主義の理想を掲げたEUは、どこかで道を誤った。それどころか著者が現地で目にしたのは、国境線の内側に閉じこもる、理念とまるで矛書した加盟国の姿だった…。難民とテロによってヨーロッパの誇りである民主主義は終焉を迎えるのか?その先にあるのはナショナリズムの膨張?それとも戦争?そこで日本が学ぶべきは「国境を超える枠組み」とどう向き合うか、ということだ。ベストセラー作家がドイツから届ける衝撃のレポート。

目次

第1章 民主主義の理想を追い求めたヨーロッパ
第2章 「EUの利益」とはそもそも何なのか
第3章 ユーロという爆弾を破裂させたギリシャ
第4章 それでもギリシャを締め上げるドイツ
第5章 「強すぎるドイツ」も内実はボロボロだ
第6章 ドイツに押し寄せる大量の経済難民
第7章 そして難民問題がEUを破壊する
第8章 テロの嵐、甦る国境とナショナリズム
終章 「国境を超える枠組み」と日本の選択

著者等紹介

川口マーン惠美[カワグチマーンエミ]
日本大学芸術学部音楽学科卒業。ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。シュトゥットガルト在住。1990年、『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)でデビュー。2011年4月より、拓殖大学日本文化研究所客員教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

74
2015年発行。EUが孕む問題点、ギリシャ危機や難民問題といったものがクローズアップされていた時期なので、本書にもそれらが取り上げられている。というより丸一冊それらの解説に当てられているといった方が正しいか。読んでいて思うのはドイツを始めとして、理想を前提に解決策を立てるから、逆に問題が噴出している気がする。こないだも電力足りなくなって慌てて原発認めたのがニュースになっていたし。それでも刊行から八年、現在はロシア侵攻を受けてEUはますます拡大しようとしている。やはり外に敵が出来たら内部はまとまるなあ。2023/03/29

mazda

29
難民問題は、日本も対岸の火事ではないと思いました。ヨーロッパって、結局のところ世界を混乱に陥れる元凶のように感じてしまいました。世界大戦は2度ともヨーロッパ(しかもドイツ)だし、中東の混乱はイギリスとフランス、アフリカにいたってはオランダ、ベルギーあたりも加わって、ということでしょうか。現在のEUも各国の思惑が交錯してまとまらないのは、歴史を巻き戻しているようで非常に滑稽にさえ見えます。世界が平和であるために、本気でまとまってほしいと思います。2016/09/14

ひろし

26
この本を読み、改めてヨーロッパについて思うことは、1壮大な理想を実現するための行動力と努力を持っていること。2美しい言葉で、有り余る欲望と優越意識を糊塗してくること。3彼らの語る理想や得た利益は『ただし白人に限る』ということ。EUという壮大な社会実験の抱える問題と矛盾の全ては、白人の白人たる要素があますことなく出ているということなんだな。結局、人は『地球市民』的な気持ち悪い『世界は一つ思想』を実現することは不可能なんやろう。人はナショナリズムもパトリオティズムも捨てられない。どうなるんだ世界は。2016/02/02

ぷれば

24
理想と希望にあふれたEU誕生…20年後の今、著者がドイツから届ける衝撃レポート。ギリシャ金融問題、無差別テロ、難民問題、イギリスの離脱懸念などなど、難問や危機が絶えずEUの足元を揺さぶっている。本書には日頃メディア報道が少ない真のヨーロッパの現状と、新たな危機(国の崩壊、紛争や戦争、難民の奴隷化不安など)発生懸念に憂慮している。また欧州のみならず日本の危機意識の欠如や、国防の不安にも言及。今、まさに必読の書。2016/02/24

飯田健雄

22
現場にいく、すなわち足でかせぐと、本人の読書量とともに歴史的想像力が広がることを示した良書である。よく読み、よく現地取材する。これが、やはり社会科学の第一歩なんだよねーーー。2016/04/12

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