読み書き障害(ディスレクシア)のすべて―頭はいいのに、本が読めない

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  • サイズ B6判/ページ数 374p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569648590
  • NDC分類 378
  • Cコード C0077

出版社内容情報

失読症解説書の決定版、待望の翻訳!

アメリカでは5人に1人、日本でも大きな問題になっている失読症。その解説書としてアメリカで最高の評価を受ける決定版、ついに邦訳。

本を読むのに異常に時間がかかる。文字を正しく発音することができない。書くことにも困難が伴う。しかし、ほかの能力、たとえば推論の能力や数学的能力などには問題はなく、むしろ頭はいい場合が多い―これが、LD(学習障害)の中心となる障害、読み書き障害(ディスレクシア)の特徴である。日本では、少なく見積もっても児童全体の1%がこの障害に苦しんでいると推測されている(筑波大学の宇野彰助教授の調査による)。本書は、5人に1人がディスレクシアであると推測されているアメリカにおいて、最高の評価を受けるディスレクシア解説書の邦訳である。米国におけるディスレクシア研究・治療の第一人者である著者は、ディスレクシアの原因、診断法、指導法をやさしく解説した後に、「ディスレクシアは克服できる」と断言する。ディスレクシア児の両親、教師や医師、研究者にとって必読の一冊である。

[I] 「読むこと」とディスレクシア 
[II] 診断 
[III] 読める子に育てる 
[IV] ディスレクシアを克服する ――困難から習熟へ 

内容説明

LD(学習障害)の中心となるディスレクシアを、米国の第一人者が解き明かす決定版。

目次

1 「読むこと」とディスレクシア(正しい知識が力を生む;ディスレクシア研究のはじまり ほか)
2 診断(ディスレクシアを発見する―小学校入学前;ディスレクシアを発見する―小学校入学後 ほか)
3 読める子に育てる(すべての子は読めるようになる;記号と音との対応を支援する ほか)
4 ディスレクシアを克服する―困難から習熟へ(サムはいかにして読めるようになったか;ディスレクシアの指導プログラム ほか)

著者等紹介

シェイウィッツ,サリー[シェイウィッツ,サリー][Shaywitz,Sally]
M.D.神経科学者であり、エール大学小児科学の教授である。また、エール大学学習・注意力研究センターの責任者の一人でもある。全米科学アカデミー医学研究所のメンバーでもあり、議会から最も効果的な読字プログラムの特定を委託された全米リーディング委員会のメンバーでもある。『サイエンティフィック・アメリカン』や『ニューヨークタイムズ』などへの執筆も多い。シェイウィッツ博士は全米各地で講演を行い、全米ネットのメディアにも定期的に出演している。コネチカット州ウッドブリッジとマサチューセッツ州マーサズヴィンヤードに夫と共に住む

藤田あきよ[フジタアキヨ]
東京都出身。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。オハイオ州立大学大学院教育学部幼児教育学科修士課程修了

加藤醇子[カトウジュンコ]
横浜市立大学医学部卒。旧関東逓信病院、旧伊豆逓信病院などで、小児神経科医としてLD、自閉症などの症例担当。都立府中療育センター、瀬川小児神経学クリニック、横浜市南部地域療育センター、小児療育相談センターを経て、平成7年、LD、ADHD、高機能自閉症、アスペルガー症候群などの発達問題を中心とするクリニック・かとうを開設。平成2年、典型的なディスレクシアの事例と出会い、平成8年よりマサチューセッツ総合病院ヘインズ、フック、マカルーソ博士らとLD児日米比較研究を実施。国際ディスレクシア協会(IDA)の会員であり、IDAグローバル・パートナーシップである、発達性ディスレクシア研究会(JDRA)代表。日本LD学会理事(任期平成18年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おりん

29
神経学的、臨床的な立場からディスレクシアについて述べた本。原著は2002年発行で古いのがちょっと気になるが解説がわかりやすい。普通の人は読字の際左脳半球後部の血流が増加するが、ディスレクシアは左右の半球の前部、ブローカー野の血流が過剰に増加し、いわばそこで読字能力を補っている傾向があるとのこと。また、治療というか対処を講じるのは早い方がよく、成長してからだと一人一人対処法が異なってきて難しくなるとのこと。また、ネット上では文字がひっくり返って見える、等書かれているがそれは学術的には証明されてないとのこと。2018/06/17

シルク

13
LDについて授業するにあたって読んだ本の一冊。自分は授業するに際しては、その分野に関してその時手に入る限りの本を、時間が許される限り読みに読んで、臨む。今回は持ち時間から考えて、品川裕香氏の「怠けてなんかない!」シリーズを手に入った限り読破するか、それか、品川裕香氏本2冊+その他手に入れた本を読むか、選ばねばならなかった。で、この本を読む方をわたくしは選んだ訳だが。品川裕香氏本全読破でも、得るところは膨大にあったと思うが、今回は、切り口の違うこの本を読んで良かった~! シルクさんグッジョブ! と思ふ(笑)2020/07/08

ちい

5
翻訳本は言い回しが難しく理解し難いイメージだか、この本はディスレクシアのことが分かりやすく書かれていた。音読を流暢にする指導法は日本語でも応用できそうだった。2019/10/02

ポチ

4
ディスレクシアにおける科学的な解説と、具体的な対策が客観的に、わかりやすい翻訳文で書かれています。なおかつ日本のディスレクシアについての補足があり、たいへん分かりやすかったです。翻訳がとにかく素晴らしかった。2014/03/19

シチミ

3
ディスレクシアを理解するための鍵となる概念は、音素の認識と、デコーディングということかなと思った。音を聞いた時に、どの音から成り立っているかということの認識の苦手さ(音素の認識)と、文字と音声を一致させること(デコーディング)の苦手さ、という2点が重大なよう。それ以外の言葉の能力は損なわれていない。ただ日本語だとまた重みが異なっているよう。日本語の場合は、音節の認識と拗音や促音などの特殊音の理解がポイント。人類は言葉を話て100万年、文字を使用するようになって5000年。この差!2021/01/03

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