PHP新書<br> 鬼・雷神・陰陽師―古典芸能でよみとく闇の世界

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鬼・雷神・陰陽師―古典芸能でよみとく闇の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569635989
  • NDC分類 772.1
  • Cコード C0230

出版社内容情報

「もののけ」から日本人の闇に対する観念を探る。

陰陽師・安倍晴明、雷神と化した菅原道真、鬼を退治した渡辺綱。古典芸能に伝わる「もののけ」から日本人の心の深層にある闇の世界を読む。

古来、日本人は鬼や怨霊といった「もののけ」の存在を信じ、語り継いできた。そして、それらは能や狂言、歌舞伎、舞などの芸能の中で、恰好のモチーフとなった。本書は、そのような舞台に登場する「もののけ」をみることで、日本人の心の深層に広がる闇の世界をよみとく。

▼陰陽道(おんみょうどう)を駆使して平安京の悪霊に立ち向かった陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)。雷神と恐れられつつも、「天神さん」として親しまれ、信仰の対象となった菅原道真(すがわらのみちざね)。酒呑童子(しゅてんどうじ)や茨木童子(いばらきどうじ)などの鬼退治で名を馳せた源氏の郎党・渡辺綱(わたなべのつな)。人間社会と闇の世界との境界にいた彼らは、どのように演じられてきたのか、そして今なお観客を魅了するのはなぜか。

▼ユニークな視点から芸能文化を探究する新時代の語り部が、跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する「もののけ」たちの世界にいざなう。

●緒帖 闇はいざなう 
●第1帖 陰陽師 安倍清明、平安京の闇に君臨す 
●第2帖 史上最強の御霊 菅原道真、内裏を襲撃す 
●第3帖 悪鬼バスター 渡辺綱、奮闘す 
●終帖 それでものこる闇

内容説明

古来、日本人は鬼や怨霊といった「もののけ」の存在を信じ、語り継いできた。本書は、それらをモチーフとする能や歌舞伎などの舞台を通して、日本人の心の深層に広がる闇の世界をよみとく。陰陽道を駆使して平安京の悪霊に立ち向かった安倍晴明。雷神として恐れられつつも、信仰の対象となった菅原道真。酒呑童子などの鬼退治で名を馳せた渡辺綱。人間社会と闇の世界との境界にいた彼らはどのように演じられ、観客を魅了するのか。芸能文化を探究する気鋭の語り部が、跳梁跋扈する「もののけ」の世界に誘う。

目次

緒帖 闇はいざなう
第1帖 陰陽師安倍晴明、平安京の闇に君臨す(日本の歴史・文化は陰陽道に満ちている;陰陽道の総帥は賀茂家から安倍家へ;語り継がれる晴明伝説;芸能にみる安倍晴明)
第2帖 史上最強の御霊菅原道真、内裏を襲撃す(神童、長じても凡人とならず;都を去る道真;御霊から神へ;芸能にみる菅原道真)
第3帖 悪鬼バスター渡辺綱、奮闘す(主君・源頼光をめぐって;土蜘蛛登場;酒呑童子退治;頼光四天王;茨木童子という宿敵;芸能にみる渡辺綱)
終帖 それでものこる闇

著者等紹介

福井栄一[フクイエイイチ]
1966年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科修了。現在、上方文化評論家。社団法人生活文化研究所理事。上方研究の会副代表。上方舞を中心とする上方の芸能、歴史文化に関する評論を発表するとともに、各地で精力的に講演活動をおこない、そのユニークな「福井節」で上方文化の新時代の語り部として注目を集めている。舞踊学会、日本笑い学会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二笑亭

8
陰陽師=安倍晴明、雷神=菅原道真公、鬼バスター=渡辺綱。闇の日本史の住人たちの概略と、彼らがいかに伝統芸能の中で生きたかを紹介する一冊。著者の洒落っ気に満ちた文が心地よく、内容もわかりやすく頭に入ってくる。福岡の「天神」も大阪の「天満」も道真公由来の地名だと、よくよく考えればわかる筈なのになぜ今まで気づかなかったのか……。2022/12/15

パトラッシュ

8
現代人には想像できないが、日本人は明治になるまで神仏魔霊の実在を疑わなかった。当然ながら能楽や歌舞伎、文楽に浄瑠璃などの伝統芸能は人ならざるものに取材した作品が多いとは漠然と知っていたが詳細は不明だった。そんな闇の伝説を安倍晴明に菅原道真、渡辺綱ら著名な面々を通じて整理し、題名通り鬼や雷神、陰陽師など人と闇をつなぐ者の物語を信心深い先祖がどう語り継いできたかを通して平安以来の日本の心性が醸成されたプロセスを解明する。彼らを文芸の題材にするだけでなく信仰対象ともした日本人は、鬼神までも日本化したのだろうか。2020/05/30

m

6
陰陽師安倍晴明、雷神菅原道真、そして鬼退治渡辺綱の豪華三本立て。国立公文書館で土蜘蛛や酒呑童子を退治する源頼光一行の絵巻を見て以来、詳しく書かれた本を読みたいと思っていた。これは良書。古典芸能から迫るというのがまた面白く、能や歌舞伎も見てみたくなった。陰陽道って身近なところにも多く根づいているんだなぁ。もっとこういった類いの本を読んでみたい。2015/09/23

NyanNyanShinji

2
陰陽師として鬼を使役した安倍晴明。怒りのあまり雷神となった菅原道真。武士として鬼と戦った渡辺綱。闇と繋がりのあるこの3人の主人公について、史実・伝説そして諸芸能を通して描いて行きます。上方芸能の語り部としての著者の博識に舌を巻く一冊でした。2021/07/12

meicedar

2
雷に対する言及は面白かった。

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