内容説明
十六世紀、鉄砲伝来とともに現れた西洋人たちは、戦国武将に大きな衝撃をもたらした。南蛮貿易をはじめ諸外国との交流が、アジアを超えた世界の脅威を知らしめることになったのだ。ヨーロッパではイスラム勢力を抑えたポルトガル、スペインが、世界の大分割、アジアの交易圏支配を狙う。そして重商主義の潮流は日本にも到来した。武将たちは西洋に対抗するため、いかにして交易圏を押さえ、天下をめざしたのか。火薬原料の確保や楽市楽座など、織田信長の戦略を中心に、戦国動乱を国際情勢から読み解く。
目次
序章 鉄砲伝来と時代の転換
第1章 「悪党」の時代から戦国動乱へ
第3章 倭寇とポルトガル人
第3章 ヨーロッパ中世の終末
第4章 世界に進出するヨーロッパ人
第5章 ヨーロッパ人の大失策―鉄砲伝来
第6章 南蛮貿易と西国の繁栄
第7章 戦乱の加速と織田信長の天下とり
第8章 日本経済を主導した織田信長
第9章 織田信長の外征計画
終章 ヨーロッパの変貌と鎖国
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年山口県防府市生まれ。東京大学文学部国史学科卒業、同大学院国史学博士課程修了。現在、明治学院大学教授。日本史の手法だけでなく、歴史哲学、文化人類学、科学史等の幅広い視点から日本の政治史、思想史を研究
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感想・レビュー
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金吾
17
余り目新しい話はありませんでしたが、読みやすい一冊です。ヨーロッパ情勢と戦国日本や鉄砲を絡めた部分は面白いです。2021/02/05
とし
7
再読。読んだことをまったく憶えてないのが困ったもんだが。16世紀、鉄砲伝来と共に日本に現れた西洋人たちとの交流の事跡を辿りながら、戦国時代の日本の実相を読み解きなおす内容。薄い本だけに内容もそれほど濃くはないが、当時の日本と西洋の情勢を、まとめてわかりやすく概説してくれてるから、初級者の勉強としてはあり。2017/06/22
よしあ
1
世界史と日本史の並列は分かりやすいが、結果論なら何でも言える。信長・秀吉・家康の戦国時代のヒーローが、ひいき目に過ぎるような。そこまでいい事ばかりでなかったと思うが。2022/11/25