出版社内容情報
伝統と近代化を貫く思想が軍国化を招いたか?
「軍国主義の思想」は戦後作られた虚像、実は先進的な理想の憲法だった。起草者の理念を追い、現行憲法論議に新たな視座を与える。
明治憲法は「軍国主義」を招いた悪法か?
▼戦後、日本国憲法との比較で意図的に悪のイメージが作られた。だがその実像は、国内外から称賛された、日本の国柄に基づく「良法」であった。
▼西欧化の荒波の中、伊藤博文は歴史法学に魅了され、金子堅太郎が西欧の保守主義思想と出会い、井上毅が国典研究に没頭する。そして彼ら起草者たちはそれぞれ近代日本の在り方を模索していく。国体とは何か? 国教を定めるべきか? 国家の機軸となるのは内閣か天皇か? 立憲政治における天皇の存在とは? その結果、日本の伝統的理念を重視し、それに根差した近代化を目指していった。
▼民間も含めて広く論議された末に生まれた、我が国初の近代憲法。その制定の姿勢と思想こそ、日本がグローバル化の今日学ぶべき課題である。
▼2002年、正論新風賞受賞の期待の若手論客が、専門とする憲法学の裏付けを基に明治憲法の実像に迫り、現行の憲法論議に新たな視座を与える。
●序章 明治憲法に学ぶもの
●第1章 我が国初の近代憲法
●第2章 伊藤博文を魅了した歴史法学
●第3章 明治のバーク・金子堅太郎
●第4章 政治の主体を巡って――伊藤と井上毅との間
●第5章 憲法と天皇
●第6章 明治憲法は非民主的か
●終章 歪曲された明治憲法の精神
内容説明
本書は、明治憲法の実像に迫り、起草者たちの姿勢と思想から日本の国柄とは何かを問う。現行の憲法論議に新たな視座を与える一冊。
目次
序章 明治憲法に学ぶもの
第1章 我が国初の近代憲法
第2章 伊藤博文を魅了した歴史法学
第3章 明治のバーク・金子堅太郎
第4章 政治の主体を巡って―伊藤と井上毅との間
第5章 憲法と天皇
第6章 明治憲法は非民主的か
終章 歪曲された明治憲法の精神
著者等紹介
八木秀次[ヤギヒデツグ]
1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。専攻は憲法学、思想史。現在、高崎経済大学助教授、慶応義塾大学講師。2002年、第2回正論新風賞受賞。「保守主義」の立場からの旺盛な言論活動で論壇の注目を集めている
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感想・レビュー
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phmchb
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