皇帝たちの中国

皇帝たちの中国

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562031481
  • NDC分類 288.492
  • Cコード C0022

内容説明

十八世紀までの歴史を理解するのに、なによりもじゃまになるのが、「国家」という観念である。現代のわれわれは、「国家」という観念に慣れきっていて、国家のなかった時代など、想像もできない。ところが実は、国家などというものは、十九世紀になって世界中に広まった観念だ。十八世紀末のアメリカ独立とフランス革命までは、地球上のどこにも国家はなかった。ここのところがよくわかっていないと、つい、「中国」という国家があって、「中国人」という「国民」が中国を構成していて、その中国を皇帝が治めていた、というとんでもない誤解をしがちである。ほんとうは、話が逆だ。皇帝が先にあって、その皇帝が営利事業を営む範囲が「天下」で、皇帝が経営する都市に所属する人々が「民」だった。それが十九世紀の国民国家の時代になって、「天下」は「中国」という国家、「民」は「中国人」という国民、と解釈され直した。ここから誤解がはじまったのである。

目次

第1章 前漢の武帝―皇帝とともに生まれた「中国」
第2章 唐の太宗李世民―非中国人を皇帝に迎えた「第二の中国」
第3章 元の世祖フビライ・ハーン―モンゴル帝国が支配した元朝
第4章 明の太祖洪武帝朱元璋―庶民出身の皇帝が建てた最後の漢人王朝
第5章 清の聖祖康煕帝―満洲人の征服王朝「清帝国」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

6
中国の5人の皇帝たちを取り上げて、解説している本ですが、それだけではなく「中国人はどこから来たか」とか「朝貢とは臣従とは違う」とか「中国人にとって漢字は学習しにくい」などほかの著者とは異なる視点から書かれたことがあり、興味深く読むことができます。「中国」とはあくまでも中華民国以降の呼称なので、清朝以前を「中国」と呼ぶのは誤りということになります。取り上げた皇帝たちも鮮卑人やモンゴル人・満州人がいて、「中国」が外国人に支配されてきた期間のほうが長かったのだということがわかります。2018/07/06

kyhitsuji

1
著者の講演会をテープにとり本にまとめたものです。本の中で取り上げている皇帝は前漢の武帝、唐の李世民、元のフビライ・ハーン、明の武帝朱元璋、清の康煕帝皇帝という一般的にとても有名な皇帝ばかりです。 マイナーな皇帝の話題は無いので、超有名どころの皇帝を詳細に知りたい人向けの本です。 本後ろの”歴代皇帝年表”は皇帝の出身部族も載っていて面白いです。だいたいこういうのは皇帝の名前と在位だけだったりするので。 中国の皇帝は人種も様々、漢人、鮮卑、トルコ人、契丹、モンゴル人、女直人など。2012/12/16

陽香

0
199811202012/05/23

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