エクス・リブリス<br> 10:04(ジュウジ ヨンプン)

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エクス・リブリス
10:04(ジュウジ ヨンプン)

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090503
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ハリケーン迫るブルックリン。処女小説で予想外の評価を受けた詩人の“僕”は、新たに長編の執筆を打診されるが……傑作長編小説。米の新鋭による「遊歩(フラヌール)」小説
 ハリケーンの上陸が迫るニューヨーク、ブルックリン。詩人である語り手の?僕?は前年に発表した処女小説で思いもよらぬ評価を受けていた。新たに『ニューヨーカー』誌に掲載された短篇を組み込んで長篇を書くと約束すれば、6桁強の原稿料が前払いでもらえるという。その一方で、?解離?の可能性があると診断された?僕?の大動脈。人工授精のために?僕?の精子を提供してほしいと言い出した親友の女性、アレックス。ニューヨークの街を歩き回ったり、テキサス州マーファで芸術家としてレジデンス生活を送ったりしながら、?僕?は長篇の構想を練る。そして、自分がかつて雑誌を編集していたときに著名な詩人たちとの間で交わしたやり取りを偽造し、小説に取り込むことを思い付く……。
 作者はオースターやフランゼンが絶賛する1979年生まれの若手。詩人としての評価も高く、本作の自意識的な主人公の語りでも、その独特のリズムを存分に味わえる。「同時に複数の未来に自分を投影してみようと思う」と冒頭で宣言するこの語り手を通じて、私たちはいくつもの、現実とは「ほんの少し違う」世界を目撃する。図版多数収録。

ベン・ラーナー[ラーナー]
作家・詩人。1979年カンザス州トピーカ生まれ。これまでにフルブライト、グッゲンハイム、ハワード、マッカーサー各財団のフェローに選出される。詩集を3冊発表しており、Angle of Yaw (2006) は全米図書賞の最終候補に。本書の前作となる処女小説Leaving the Atocha Station (2011) はポール・オースターやジョナサン・フランゼンに絶賛され、文芸誌『ビリーバー』が主催するビリーバー・ブック・アワードを受賞した。なお、本書の抜粋は『パリス・レヴュー』誌のテリー・サザーン賞に選ばれている。現在はニューヨーク市立大学ブルックリン校の英語学科で教授も務める。また、ドイツの現代美術作家トーマス・デマンドの作品に詩を寄せた共作Blossom (2015) がある。

木原 善彦[キハラ ヨシヒコ]
1967年鳥取県生まれ。京都大学大学院文学研究科英語学英米文学専攻博士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科准教授。主要著書に『UFOとポストモダン』(平凡社)、『実験する小説たち 物語るとは別の仕方で』(彩流社)ほか。主要訳書にT・ピンチョン『逆光 上下』、R・パワーズ『幸福の遺伝子』(以上、新潮社)、H・マシューズ『シガレット』、H・クンズル『民のいない神』(以上、白水社)、D・マークソン『これは小説ではない』(水声社)ほか。

内容説明

全ては今と変わらない―ただほんの少し違うだけで。主人公の詩人を通じて語られる、「世界が組み変わる」いくつもの瞬間。身体感覚は失われ、過去と未来、事実と虚構…あらゆる境界が揺らめきだす。米の新鋭による、美しく愉快な語り。

著者等紹介

ラーナー,ベン[ラーナー,ベン] [Lerner,Ben]
作家・詩人。1979年カンザス州トピーカ生まれ。これまでにフルブライト、グッゲンハイム、ハワード、マッカーサー各財団のフェローに選出される。詩集を3冊発表しており、Angle of Yaw(2006)は全米図書賞の最終候補に。処女小説Leaving the Atocha Station(2011)は文芸誌『ビリーバー』が主催するビリーバー図書賞を受賞した。『10:04』の抜粋は『パリス・レヴュー』誌のテリー・サザーン賞に選ばれている

木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年鳥取県生まれ。京都大学大学院文学研究科英語学英米文学専攻博士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

39
現実の世界との乖離が大きすぎ愕然。とはいえ、初めて触れた遊歩小説。1944生の作家が嚆矢というから驚く。表題は「バックトゥザ・・」を基にしたもので疑似的時間旅行を経た複数未来を表象していることに由来している。映画自体は視覚の世界という事もあり楽しめたが文字となると付いて行くには摩擦がかなりあり。身の回りの出来事やそれに由来する観察の断片が主。エッセイ?詩?ユニークな文体とリズムは遊歩的読解をしないと読めないかな。心・精神がタコの体の様に柔軟になり、リアルなフィクションが読めない状態に立ち戻る⇒キーワード☆2018/04/13

ヘラジカ

37
翻訳者自身が『実験する小説』という著書で紹介しているだけあって、非常に奇妙で感覚に訴えかけるような作品。しかし、頗る面白い。冒頭からかなり身構えさせる文章に出会い不安感を覚えたが、作品に組み込まれた短編に差し掛かる辺りになると、すっかりその揺動感に身を任せきりにしたい気分になっていた。ところどころエッセイ的な楽しさがあって前衛的と言うだけでなく小説としても「普通に」面白い。視点がブレながらも幻想的に描かれる最後も実に美しかった。読了後の今、物の見方が少し変わったように感じる。2017/02/22

かもめ通信

28
理屈っぽくて神経質な新進作家の語り手という設定はありがちではあるけれど、大動脈や精子までも駆使して「自身」の内側を表現する作家が描く様々なエピソードは、一つ一つが読み応えのある面白さで、いやそれもっと読みたい!そこはもっと掘り下げてよ!と、長編から短編を切り出す依頼をしたくなる。あるいはもしかすると、当初タイトルの示す意味にぴんとこなかったように、同時に複数の未来に自分を投影してみようと思うと冒頭で宣言するこの語り手の意図を私はつかみきれていないのではないかとも思う。それでもこの小説はすこぶる面白かった。2019/07/31

きゅー

24
本作における語り手は過去・現在・未来をある種の円環構造として見て取り、曖昧な未来と曖昧な過去の狭間となる現在を生きる。作中の「僕」は著者の分身であり、ここで一段階のメタ的構造が生れている。さらに「僕」が書いている短編小説が『10:04』であり、そこには「作家」が登場する。著者と「僕」、或いは「僕」と彼の書く小説の「作家」という形で二重に客体のズレが生じており、それが小説の面白さとなっている。物語のストーリーそのものではなく、現実と作品のズレを味わう物語となっている。小説の新たな方向性に触れた気がする。2018/06/26

南雲吾朗

22
日常の日々を描いている小説。凄く不思議な読後感。でも、凄く良い。大きな事を描いている訳ではなく、本当に日々の日常を描いているのだが、著者が詩人のせいか、文章が上手くまた細かい描写も凄く粋で、文字を追うのがこれほど楽しいと思った小説は今までなかった。ベン・ラナーの翻訳はいまのところ、この本しか無い様であるが、もっとこの人の小説を読みたいと思った。この本に何回か出てくるバスティアン・ルパージュの「ジャンヌ・ダルク」の絵画を実際に目の前で観てみたい。2017/10/16

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