内容説明
産業革命の背景となった、十八世紀の英国王室―歴代の「四人のジョージ」が君臨したハノーヴァ朝は、イギリスが世界の最強国へと成長する、激動の百十余年の歴史を誇る。本書は、政治・経済をはじめ科学・文学・建築などの諸方面においても実り多いこの時代を、くまなく照らし出す。生彩あふれる歴史書。
目次
第1章 ジョージ一世、二世時代における体制の強化(一七一四~一七六〇年)
第2章 ジョージ三世とその大臣たち(一七六〇~一七九三年)
第3章 外交および植民地政策―制海権からアメリカの喪失まで
第4章 経済、人口、および社会の推移
第5章 文化の発展
第6章 革命期およびナポレオンのフランスとの戦争(一七九三~一八一五年)
著者等紹介
手塚リリ子[テズカリリコ]
1934年生、青山学院大学大学院文学研究科博士課程満期退学、青山学院大学名誉教授、イギリス文学専攻
手塚喬介[テズカキョウスケ]
1935年生、青山学院大学大学院文学研究科博士課程満期退学、青山学院大学名誉教授、イギリス文学専攻
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感想・レビュー
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ジュンジュン
7
四人のジョージが続いた時代をジョージ王朝と呼ぶ…らしい。正直、イギリス史における位置づけが分からなかったので新鮮だった。ウォルポール、ピット、産業革命、アメリカ喪失とインド支配(プラッシーの戦い)…あぁこの時代だったのか。二つの革命(清教徒、名誉)の成果を受け継ぎ、パックスブリタニカを準備するジョージ時代を、政治、経済、社会、文化、多面的かつ簡潔に紹介する。ただし、範囲を広げ過ぎて、逆に分かりにくくなったように思う。2020/11/07
Koning
0
ジョージ一世からジョージ4世までの時代を見事に160ページ足らずの本にまとめた良書。フランス人のいちばん嫌だろう時代の英国を冷静に見ているという点でも好感が持てる。ナポレオン戦争やアメリカ独立戦争という国難を乗り切り気づけばビクトリア女王のパクスブリタニカへの序章はこの時代なのだと改めて納得できる。翻訳も微妙な癖があるものの、素晴らしいと思う。2011/06/02
0
読ませる文章。ジョージ王朝時代の個性豊かな宰相たちがかっこいい。対して文化についての記述は総覧しようとしてかえって個々がうすぼんやり。2009/06/11