出版社内容情報
発生的認識論とは発達心理学や科学思想史の実証的資料にもとづきながら、現代科学の認識論的問題点を発達的に明らかにしようとする科学である。本書では、発生的認識論の創始者であるJ・ピアジェの基本的な視点が、心理学、生物学、論理学、数学、物理学の諸科学を通して系統的に解説されている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハンギ
2
ピアジェの主著。ピアジェというと児童心理学の大家の呼び声も高いのですが、子どもの心理発達を論じて行く中で、最後には物理学的な認識論、数学的な認識論に到達するという、よく分からない本。結構難しかったし、半分も理解できなかったと思う。思考の生得性に批判的なのは分かりましたけど。ベルクソンの影響が言われているとおり、用語などに影響はあるかもしれない。運動図式って、動的図式のことだと思います。数式や集合論や群といった数学的な知識も出て来ており、ピアジェの主著というのは伊達ではないと思いました。フランス恐るべし。2011/09/05