内容説明
長い教員生活に別れを告げ、人生の大きな岐路に立つ“夜回り先生”、いま熱き想いのすべてをあなたに語る、「子どもたちの深い哀しみを知ってください、優しさと愛をもって側にいてあげてください」。
目次
1 夜回り日記―子どもたちの笑顔がほしくて(至福の時;たくさんの笑顔がほしくて;自ら腐っていく子はいない;許せない大人たち;まじめすぎる受験生の罪と償い ほか)
2 夜回り先生、子どもたちの明日を語る―褒めて、褒めて、愛を与えて(一三年の夜回りの果てに;夜眠れない子どもたち;「人間っていいもんだな…」;第四次少年犯罪多発期の到来;万引き・窃盗、軽犯罪の急増の背景 ほか)
著者等紹介
水谷修[ミズタニオサム]
1956年横浜市生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。1983年横浜市立高校の教師になり、1998年から市立戸塚高校定時制社会科教諭、2004年4月から市立横浜総合高校教諭。同年9月、高校教諭を辞職。中・高校生の非行防止と更生、薬物汚染の拡大防止のために、全国各地の繁華街で「夜回り」を行う。また薬物防止等の講演で全国を駆け回る。2003年東京弁護士会第17回人権賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
44
ある日つけたテレビに彼が話していたのを見て釘付けになった。目力。イケメン。そして内容。講演、本の取り寄せ、最初に読んだ本がこれだ。子供とのかかわり合いに人生を捧げた悲しみを背負った生き方は先生自身の傷つきを癒すプロセスだと直感した。なにげない言葉だが言葉なんて大したことないと思った。彼の子どもへとの関わり方は徹底して配慮と関心と希望を与えるその三つだ。どんな精神力が彼を支えたかを考えるとまた傷つくという体験が昇華していく体験を実証した生き方にとりあえず感動した。2015/06/27
コウメ
43
水谷先生の夜回り先生になるまでのいきたち2019/06/03
再び読書
18
いつ読んでも水谷先生の言葉に涙してしまう。日々子供を攻撃する事で、非行の入口を探させていないか?反省する。また語るのではなく、しゃべらなくてもいい一緒にいるという大事な行動に気づかされる。自分が未熟な大人であることにに恥じ入る。しかし、教育委員会も情けない。当時義家先生はいなかったのだろうか?でも、最初と最後の涙が嬉し涙であることが救い。また、一つだけ思うのは自分を卑下しなくても良いし、ボロボロ泣いても結婚式には出てあげて欲しいと言う読者としての思いです。辛い過去を卒業できた生徒に卒業証書を渡して欲しい。2014/06/27
Shinchan
10
横浜市の新規採用教員の研修会での講演が中止になった理由を当時の教育委員会の幹部が「水谷の講演は、百害あって一利なし。新規採用者だけでなく、市民や生徒に対する講演も好ましくない」と言ったと書かれていました。教育委員会って誰のため何をするために有るんでしょうね。2013/10/10
hase
8
中学の頃に著者の本を手に取った覚えがある。今回も薬物や自傷行為、売春など重い内容が続き、実体験をまとめたものだから重みが凄い。考えさせられる良書だが、読み手を勝手に「昼の世界の住人」と仮定してしまうところだけはモヤっとした。著者にとって対になるであろう“夜の街”。私が思うよりも怖い部分もあるのだろうけど、夜の街を批難されるのはちょっと辛かった。2022/08/03