内容説明
不可能興味満載で本格推理ファンに挑む!2005年度『このミス』3位に輝いた“幻の探偵作家”待望の第2弾。
著者等紹介
天城一[アマギハジメ]
1919(大正8)年、東京生まれ。本名・中村正弘。東北帝国大学数学科卒。大阪教育大学名誉教授。1947(昭和22)年「不思議の国の犯罪」(『宝石』)でデビュー。その切れ味鋭い作風は一部に熱狂的なファンをもち、本業のかたわら発表してきた短編は、各種アンソロジーに幾度となく再録されている。初の単著『天城一の密室犯罪学教程』は、『このミステリーがすごい!2005年度版』(宝島社)の第三位に選ばれるなど、高く評価され、第五回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞した
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968(昭和43)年、横浜生まれ。専修大学文学部卒。出版社勤務を経て、フリー編集者、アンソロジストとして活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
12
パート1が全部タイトルが列車の名前の、時刻表アリバイもの。パート2が不可能犯罪もの。時刻表トリックは嫌いじゃないんだけど、元々数字が苦手なので、島崎警部の推理についてゆくのに、骨が折れた。2008/03/18
カーゾン
3
M:乗り鐵・呑み鐵な私だからPART1のダイヤグラム犯罪編は全部楽しかった。昔は急行も客車列車も沢山走っていて良い時代だったなぁ(遠い目) PART2の不可能犯罪編の中では、「朽木教授の幽霊」と「雪嵐/湖畔の宿」が好み。結局小生はミステリ読み始めてからずぅっと”嵐の山荘”ものが好きなのであります。2021/03/18
眼鏡の狸
3
時刻表というものの存在は知っていても手に取ったことがないので、作品中に出てくる時刻表が新鮮だった。乗り継ぎ時刻などのトリックの大前提となる知識を時刻表から読み取ることがなかなかスムーズにできず、ダイアグラム関係の前半はちょっと流し気味に読んでしまった。後半の不可能犯罪編の方がすんなり読めた。大戦前後の時代の息吹がにじみ出ていてとても興味深かった。最後に掲載されている自作解説がやっぱり好き。解説を読んでから読み直すと二度楽しい。ただこの文体は読むのに時間がかかるなあ。好きだけど人には勧めにくい。好きだけど。2020/06/01
はまちゃん
3
「密室犯罪学教程」に続く天城一氏のミステリー短編集。時刻表を使った【ダイヤグラム犯罪編】9編と、密室殺人などを扱った【不可能犯罪編】14編が収録されている。数学教授であった天城氏の作品にはカルト的なファンがいるとのことだが、正直私の読書力ではまだ面白味がわからない・・・ アタリメのように何度も読みこんで初めてわかるものなのか? 「方程式」は笑えた。2014/08/10
moonanddai
2
私としては、あまり得意としないアリバイもの。犯人が分かっている、あるいは目当てが立っている中で、挫折を繰り返す話はフラストレーションがたまってしまう。それよりは「犯人は君だ!」、「えーっ!」の方がスッキリします。ただし、この本は密室ものも含まれますが、トリックオンリーではなく、トリックを縦軸にしながら横軸が織り込まれています。戦争の記憶や戦後の混乱、地方都市の息吹きなど、私の好きな「ミステリーの雰囲気」が感じられる。ただし、赤城氏の小説はやっぱり難しいよね…。2013/01/12