単身急増社会の希望―支え合う社会を構築するために

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 448p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532357283
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C3033

出版社内容情報

50代男性の5人に1人、80歳以上女性の4人に1人など急増する単身世帯。「支え合う社会」をいかに構築するかデータを元に分析。▼単身世帯が急増している。特に今後、大都市圏を中心に「未婚」の単身者の急増が予想される。未婚者が高齢期を迎えると、配偶者のみならず子供もいないため、老後を家族に頼ることはほぼ不可能になる。これまで家族が担ってきた「支え合い機能」を、誰がどのように担っていくかが大きな課題となる。

▼そこで「地域」に注目して、地域のどの部分(機能)が、どのようにして家族の代わりとなる「支え合い機能」を担っていけるのかという点を考える。具体的には、
?血縁関係のない高齢者同士の同居・多世代同居
?高齢者向けの「生きがい就労」、孤立した現役単身者に向けた「中間的就労」
?高齢単身者が認知症になった場合などの対応。国内外(米国、ドイツ、スウェーデン)の先進事例を紹介。

▼日本はかつて家族の支え合い機能が強かったため、社会保障制度も家族を前提としている。したがって家族機能の代替に関する先進事例はまだ少なく、規模も小さい。しかし、地域社会がこの機能を代替し、しかもそれにより地域自身も強くなる「地域づくりのイノベーション」と呼ぶべき事例が現れ始めた。ほかの地域でも応用できる普遍的な手法を紹介。

▼前作『単身急増社会の衝撃』では、単身世帯の急増の実態を示して「衝撃」と示したが、今回は解決策として社会が取り組むべき方向性を考え、単身急増社会の「希望」を示し、未来は自分たちの力で変えられるというメッセージを込めた。

▼「単身世帯の実態」「いくつかの類型に分けた単身世帯の考察」「単身世帯の抱えるリスクの増大に対する社会の対応」の3部構成で、単身世帯を対象に「支え合う社会」の構築を考え、自助努力できる社会の前提を模索する。

 第1部 単身世帯の実態
第1章 単身世帯の増加の実態とその要因

第2章 都道府県別にみた単身世帯の実態

 第2部 類型別にみた単身世帯の考察
第3章 勤労世代の単身世帯が抱えるリスク

第4章 高齢単身世帯が抱えるリスク

第5章 単身世帯予備軍――親などと同居する中年未婚者

第6章 海外の高齢単身世帯との比較――米国、ドイツ、スウェーデンと日本の比較

 第3部 単身世帯のリスクに対して求められる社会の対応
第7章 単身世帯の住まいと地域づくり

第8章 単身世帯と就労――「働き続けられる社会」の実現に向けて

第9章 身寄りのない高齢単身者において判断能力が低下した時

第10章 社会保障の機能強化と財源確保の必要性

藤森 克彦[フジモリカツヒコ]
みずほ情報総研主席研究員
1965年 長野県生まれ。1992年3月 国際基督教大学大学院 行政学研究科修了。1992年4月 富士総合研究所(現みずほ情報総研)入社社会調査部配属。1996年4月 ロンドン事務所駐在(在イギリス4年) 。2000年4月 調査研究部 社会保障統括。2004年4月 社会保障 藤森クラスター主宰。
みずほ情報総研主席研究員。英国に滞在しブレア政権の政策を研究。帰国後「マニフェスト」の導入などを提言し新聞・雑誌等に執筆・コメント多数。講演のほか「NHK日曜討論」などテレビ番組にも出演。
主な著書に『構造改革ブレア流』(TBSブリタニカ、2002)、『知っておきたいPFI法 改訂版』(共著、財務省印刷局、2003)、『単身急増社会の衝撃』(日本経済新聞出版社、2010)

内容説明

50代男性の5人に1人が一人暮らし!加速する未婚化と単身世帯化。「無縁社会」から「支え合う社会」へ。

目次

第1部 単身世帯の実態(単身世帯の増加の実態とその要因;都道府県別にみた単身世帯の実態)
第2部 類型別にみた単身世帯の考察(勤労世代の単身世帯が抱えるリスク;高齢単身世帯が抱えるリスク;単身世帯予備軍―親などと同居する中年未婚者;海外の高齢単身世帯との比較―米国、ドイツ、スウェーデンと日本の比較)
第3部 単身世帯のリスクに対して求められる社会の対応(単身世帯の住まいと地域づくり;単身世帯と就労―「働き続けられる社会」の実現に向けて;身寄りのない高齢単身者において判断能力が低下した時;社会保障の機能強化と財源確保の必要性)

著者等紹介

藤森克彦[フジモリカツヒコ]
みずほ情報総研株式会社社会保障藤森クラスター主席研究員。1965年長野県生まれ。92年国際基督教大学大学院行政学研究科修了、同年富士総合研究所(現みずほ情報総研)入社。社会調査部、ロンドン事務所駐在(96~2000年)などを経て、04年より現職。11年日本福祉大学より博士(社会福祉学)の学位取得。専門分野は、社会保障政策・労働政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

46
いまや50代男性の5人に1人弱が、80歳以上の女性は4人に1人が一人暮らしなんだとか。未婚化の進展や高齢化に伴う単身化も重なり、都市部を中心にさらに単身世帯は急増していく見込み。病気になった時などのリスクが高く、孤立する可能性もあるから、社会全体で支え合う仕組みづくりが急務だという。具体的な処方箋は、社会保障の機能強化、地域づくり、働き続けられる社会づくり。いずれも難問だけれど、この不都合な真実から目を逸らしてはならない。2017/05/16

壱萬弐仟縁

41
各種データで気になるのは、図表5-3 未婚者の属性―年齢階層/最終学歴/健康状態(188頁)である。グレー地になっているセルは、50代の箇所。単身男性43.2%。予備軍男性も、大学(学部)卒・大学院修了は47.1%。2015年12月の統計だが、今も悪化していると想定される。政府の政策が無策ゆえ。分断社会を改善することよりも、改憲や共謀罪に躍起ゆえ。国民の滑り台社会(湯浅誠教授)を変える必要を強く感じる。また、図表5-4 本人が過去1年間に得た年収の分布で、100万円以下が予備軍男性25.4%である2017/07/02

うさうさ

26
生涯未婚率の増加や、夫を亡くした高齢者の一人暮らしが恐ろしい勢いで増加している。 それに対しての施策として、高齢者でも働き続けられる社会、孤立しない関係作り、単身者用の社会保障など。 どれも実現は難しそう。 コレクティブハウスは面白そうだな。2017/06/08

mercury

3
タイトルには希望とあるが、かなり厳しい現実。日本は税金や社会保険料を払うと格差が増大するという先進国としてどうなのという国。財源確保のしかたで本気度が分かると書かれているがまさにその通り。一部のラッキーな人以外自助努力ではどうにもならない事態になっている。良書だが数字やグラフが多くなかなか難しい。お急ぎのかたは各章のまとめを読んで興味のあるトピックを選んでも良さそうです。2017/07/18

すのす

2
最近積読が増えたため、過去からのものを読む。後半の社会保障の強化に向けた提言は月並みだが、前半の単身世帯の実態分析は参考になると思う。特に高齢単身世帯については、未婚や死別だけでなく、子どもとの別居が大きな要因になっているという点は、見落とされがちと感じた(見落としていた)。今後高齢単身世帯が増えることは介護等の分野でも認知は進みつつあるが、氷河期世代の親が死亡すると増えるであろう単身という課題は、あまり目立たないが、社会で受け止めていくことになりそう。問題は尽きず、社会はかくも複雑。2021/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11548211
  • ご注意事項