出版社内容情報
ミステリの女王セイヤーズが創造したピーター・ウィムジイ卿は、従僕を連れた優雅な貴族探偵として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間として大きく成長し、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。本書はそのピーター卿の活躍する中短編から「鏡の映像」「盗まれた胃袋」「銅の指を持つ男の悲惨な話」「不和の種、小さな村のメロドラマ」等、絶妙な話術が冴える7編の秀作を選んだ短編集である。
内容説明
クリスティと並び称されるミステリの女王セイヤーズが創造したピーター・ウィムジイ卿は、従僕を連れた優雅な青年貴族として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間的に大きく成長、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。本書はその貴族探偵の活躍する中短編から「不和の種、小さな村のメロドラマ」等、代表的な秀作7編を選んだ作品集である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
110
★★★★☆ ピーター・ウィムジィ卿の活躍を描いた中短編集。 何といっても中編の『不和の種、小さな村のメロドラマ』が最高である。 短編はいずれもミステリとしては謎が単純過ぎて不思議さはないが、逆に頭を悩ますことなくサクッと読める。ホームズシリーズのような明快さが売りといえる。 パーカー警部、アーバスノット、バンターやハリエット・ヴェインといったお馴染みの顔ぶれも登場する。 なお、ウィムジィ卿シリーズの中ではかなり後期の短編も収録されているため、シリーズ制覇を考えるなら最後に読む方が良い。2019/12/29
中原れい
68
やっと読んだ。面白いんだけど変な眠気に邪魔されて。わりと長い間の謎解きをまとめたらしく、卿が母の影響を気にする若者だったり子供の誕生に感動するパパだったりするから。そしてポアロを悩ませたあの問題を偶然とはいえ行き当って結構平気で過ぎちゃったりしてるのはお貴族様だなーって衝撃。優雅で迫らない感じって嫌いじゃないけどサスペンスにはなりにくいですね。そこを人気シリーズに持って行ったセイヤーズはさすがです。2023/08/22
星落秋風五丈原
40
ピーター・ウィムジー郷の短編集。ホラーっぽい話が多かった『鏡の映像』はまあこれしか答えがないだろうなと。「盗まれた胃袋」遺産の隠し場所にはびっくり。巻末の作者紹介が充実。2018/05/09
minami
34
1893年生まれのイギリスの作家、セイヤーズ。「あの クリスティと並び称されるミステリの女王」との事だけれど、無知な私。初読みでした。ある公爵の次男でワイン通、書物蒐集に音楽が趣味、そして長身、でも鼻はとても大きい‥そんなピーター・ウィムジィ。彼は貴族探偵として、事件を解決する。先入観なく読みだしたので、途中「えっ、いつの時代⁈」となった。でも、読みやすく、そしてピーターのファンになった。今回は短編だったので、長編も読んでみよう。2019/07/14
Betty
34
セイヤーズのピーター卿シリーズを纏めた短編集。どの作品も読みやすく文章が綺麗です。馬車から車に変わってきた頃のイギリス。どれもムードがあって好きだなぁ2018/01/15