ちくま文庫<br> パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉

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ちくま文庫
パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 489p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420565
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

フランス・ルネサンス文学を代表する作家ラブレーの記念碑的大作、待望の新訳第二弾。巨人王ガルガンチュアの息子パンタグリュエルが、才能豊かないたずら者パニュルジュとともに大活躍―イギリスの大学者との珍無類の論戦、パリの貴婦人への恋とふられた仕返し、さらに悪の化身の巨人ルーガルー退治など、名場面続出の物語。ラブレーの爆発的な魅惑を伝える新訳、ますます冴えわたる。『ガルガンチュア大年代記』を併せて収める。

著者等紹介

ラブレー,フランソワ[ラブレー,フランソワ][Rabelais,Francois]
1483?‐1553。フランスの作家・医師。モンテーニュとともに16世紀フランスを代表する文学者。トゥーレーヌ地方シノンに、弁護士の末子として生まれる。フランチェスコ会修道院に修道士として起居し、哲学・神学を学ぶかたわらギリシャ語を独習。1528年ごろパリに上る。30年秋、モンプリエ大学医学部に登録。32年にリヨン市立病院に勤務、医師・古典学者として第一歩を踏み出す。そのころ『パンタグリュエル』を発表

宮下志朗[ミヤシタシロウ]
1947年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授(言語情報科学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

91
確かに後に書かれた父の物語「ガルガンチュア」の方が熟成されてはいるが、息子「パンタグリュエル」も面白い。父は糞に絡む話が多く、息子はおしっこの話が多い。そもそもパンタグリュエルが喉が渇くという意味を含むようなので、乾く、飲む、排尿する、と連なるか。まあ、熱を下げるには水分を採って排尿するべきなのであるし、そこかしこに作者の医者としての知識が見える。パンタグリュエルが4人のお供を連れてする旅は、豪快で、捕虜や敵方の王の扱いにしてもユマニスト的で、微笑ましい。一番のお供のバニョルジュの無茶苦茶ぶりもいい。 2015/06/10

かんやん

29
この第二の書が、実は第一の書『ガルガンチュワ』より先に書かれた第一作。パンタグリュエルの家系と誕生、教育とやっぱり戦争(騎士道物語のパロディだから欠かせないのか)。巨人が痛快に活躍するたわいもないようなホラ話、与太話と小児的下ネタ、翻訳不能な地口…やはり内容がだいぶ被ってますね。当時の識字率はどれくらいで、どんな読者層だったんだろうか。読んで楽しむためには、実は相当な教養を必要とするはずなのだ。エピステモンの地獄巡りとパンタグリュエルの体内(そこに世界が広がっている)探索が、いや、もう、ケッサク。2020/10/22

fseigojp

25
これが実質的な初版でガルガンチュアは、これの成功で前日談として執筆された 一種の痛快軍記ものとして読める2017/10/20

マウリツィウス

17
【巨人ガルガンチュア再誕】巨人の聳える悪逆塔が古代にフランスにより創造された神話像の再記録でもあり立ち上がる原動力。全き異国の英雄は削除された必然にある外典文書から自身の力を取り戻していく。反逆を自らの手から勝ち取る彼はパロディを構成していくドン・キホーテと共謀を遂げルネサンス引用の不毛論を緻密に折り合わせる。引用像のテクスト言及はシェイクスピア批判を踏まえたスターン論法よりも《亜種異形》この混沌と秩序に同時に蘇る姿はヴォルテールによって継がれる。崩壊した姿は機械的ではなく有機的、流れ出る血脈は永遠源泉。2013/05/31

ラウリスタ~

14
さらりと読めるのだけれども、一番浅いレベルで読むと「うんち、しっこ」しか言ってないので困る。パンタグリュエルの口の中に、新世界ならぬ「旧世界」が広がっていて、歯の山脈を越えたり、虫歯のなかのテニスコートで遊んだりとぶっ飛びすぎた想像力に唖然とする。口のなかでキャベツを植えている「おっちゃん」と出会うシーンは、人類存亡の危機でスイカに水をやる加地さんを思わせる。人体=ミクロコスモスということだろうが、縮尺が前後と比べるとおかしくなりすぎて四次元ポケットのよう。2016/01/04

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