内容説明
ポオの『ユリーカ』中のことば「無限とは或る観念を示したものではなく、或る観念への努力を表しているものに過ぎない」を敷衍する作業として、独自の宇宙論を展開した代表作「僕の“ユリーカ”」、リーマンやアインシュタイン、ユークリッドなどを引き合いに出した「ロバチェフスキー空間を旋りて」、自伝的色合いの濃い「古典物語」などを収める。
目次
僕の“ユリーカ”
改訂増補 ロバチェフスキー空間を旋りて
古典物語
カフェの開く途端に月が昇った
著者等紹介
稲垣足穂[イナガキタルホ]
1900‐77年、小説家。大阪の船場に生れる。幼い頃兵庫県の明石に転じ、神戸界隈で育つ。少年時代はヒコーキに熱中する。関西学院普通部卒業後、上京。佐藤春夫の知己を得て「チョコレット」「星を造る人」を発表。イナガキ・タルホの名前で出版した『一千一秒物語』により注目される。宇宙的郷愁と機械的ファンタジーにみちた独特の作風による作品を書きつづけた。1969年『少年愛の美学』で第一回日本文学大賞を受賞
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