内容説明
球団合併、1リーグ制への移行論議などに揺れるプロ野球界。過去にも、リーグ分裂、選手引き抜きなど、混乱を極めた時代があった。しかし、そこには草創期の活気があふれ、強烈な個性がそろっていた。そんな中、セ・リーグ第1回優勝チーム・ロビンスはオーナーの夢と日本的プロ野球経営の狭間で、消滅の運命をたどる。球団経営の真実に迫る傑作ノンフィクション。
目次
プロローグ 三代目田村駒治郎の述懐
第1球 プレイボールの声に野球狂が歓喜する
第2球 リーグは分裂し、駒次郎は「私のラバさん」を踊る
第3球 セ・リーグ優勝の行方とまたまたゲームセット
著者等紹介
中野晴行[ナカノハルユキ]
1954年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。大阪で編集プロダクションを設立。97年より東京・神田に事務所を移す。フリー編集者。ノンフィクションライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikuto Nagura
3
「パリーグは始まって以来、70年ほど全ての球団が赤字でした。過去1チームも黒字ではなかった。しかし、ソフトバンクは本社からの広告補填なしで、球団経営が黒字です。その黒字を選手、監督、スタッフに還元しています」つい先日、孫正義はホークスの補強批判に、こう反論していた。衝撃で震えた。球団経営など、資金力のある企業が、宣伝か道楽でやってるんだと思っていた。本書は、04年球界再編問題が70年前の球界と何ら変わってないと断じる所から始まる。たった10年足らずで、田村駒治郎が挫折した理想のオーナー像が現出するとはね。2016/03/23
にし
2
★★★★☆プロ野球の創設期の名物オーナ、田村駒治郎の球団経営に対する熱い闘い。 ▼田村の悪戦苦闘ぶりが面白く、田村の波乱万丈さにワクワクしながらも、創設期のプロ野球組織の不安定さがとても良くわかり、面白さが倍増している。 ▼組織の生い立ちがわかるので、なるほど、現在のような透明性のない、そして無能なコミッショナーが存在しても問題ないような状況になってるんだろう。。。と納得し、少しだけ憤慨してみたりする。 野球ファン限定ですが、お勧めです。2013/11/06
tocoto
2
プロ野球ノンフィクションの中でも屈指の名著、だと思う。駒次郎を中心とした人間劇がおもしろい。「リーグは分裂し、駒次郎は『わたしのラバさん』を踊る」という章題にすべてが集約されている。2012/01/06
渋谷英男
1
今日の和気あいあいなオールスターを観ると、セパ分裂時のつぶし合いは信じられない。☆42015/07/18