内容説明
教授は言った。「相手にとどめを刺しちゃいけません。あなたはとどめを刺すやり方を覚えるのでなく、相手をもてあそぶやり方を覚えて帰りなさい。そうすれば、勝負は聴衆が決めてくれます」タレントは唸った。「本物は違う!」今、明される究極のケンカ道とは?フェミニズムの真髄とは?20万人が笑い、時に涙し「学びたい」という意欲を燃えたたせた涙と笑いのベストセラー。
目次
教室は四角いジャングル
本物は違う!!
「わからない」という言葉のもつ力
学生たちとの交換条件
美貌と巨乳と学問の価値
「それがわかればしめたもの!!」
賢さに種類があるとすれば
安田講堂がみたもの
構図を叩きつぶす技術
学者はなぜ、打たれ強いか〔ほか〕
著者等紹介
遙洋子[ハルカヨウコ]
タレント。大阪出身。武庫川女子短期大学卒業後、1986年から8年間、上岡龍太郎氏と組んで司会をした、読売テレビ「ときめきタイムリー」から本格的にタレント活動を開始
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
88
一番面白かったエッセイ。ケンカって議論のことだったのか!笑いながら知について深く考えさせられた。反撃されたから、分からないから「ああ、やっぱり自分はダメなんだ」と思うと自分にしか質問が来ない。「これはどういうことですか?」と問うと質問が相手にいく。この差は大きいという文章が心に残った。幸せはひとつしかないと思い込むのはどれだけ危険なことか。反撃されたら質問で返せなどなど。知ることっていうのはとても大切なことなんだな。2015/11/15
鱒子
84
タイトルに惹かれました。上野千鶴子さんのことも、著者の遥洋子さんのこともよく知らず、ケンカの法則本かと思いきや、ジェンダー論黎明期の社会学についてのエッセイ本でした。いや、最後にケンカの仕方がまとめてあるのですが、これがなかなか素晴らしかった。タレント活動しながら、東大で憧れの人の講座を受講し、かつて落ちた大学の教鞭をとる——遥さん、すごい人だ。良書。2021/12/16
ルピナスさん
59
社会の男女格差を感じ悔しい思いをしながら、チャンスがあっても自分は女だからと一歩引いてしまっていた私が今、家族協力体制で仕事をし、男女差を意識せず子供達の成長を応援できるのは、上野千鶴子先生や学生達のようにジェンダー論を創出し追求していく存在があったからだと繋がった。なんとも言えないモヤモヤ。それを言葉を用いて具体的に訴え理解されなくとも希求し続ける。「オリジナルは自分一人では存在しない。少しでも多くの情報を知ることでその違いで自分らしさが誕生する、だから勉強する」と言う一人の学生の声には学問の真意を見た2022/05/13
おたま
49
タレントの遙洋子が、東大で3年間上野千鶴子に学んだことのまとめ。上野千鶴子から遥洋子に向けて、「ここで学んだことをエッセイ形式で提出せよ」という春休みのレポート提出が求められ、それに応えたもの。だが、この本では上野千鶴子の思想内容の紹介だけには終わっていない。上野とのやりとり、講義・ゼミでの体験、東大で出会った学生のこと、また学んだことをもってタレントとしての場で体験したこと等が描かれる。体験的上野千鶴子論という趣。「ケンカのしかた・十個条」という章もあるので、ちゃんと知的にケンカするコツも分かる。2023/08/11
怜
31
面白くて一気に読んだ。タイトルは難しそうだけど、そうではなく遙洋子というタレントの目線で描かれたわかりやすい「学問」入門「学ぶこと」入門。学びや学問は学生たちの特権ではなく、誰のためのものでもない 自分の「なぜ」のための学び。知るためには自分が求めなければ、疑わなければ知ることはできない。簡単に啓発本を読むくらいでは得られないのだ。自分が自分でいるためにはもっと広く目を見開いていたいと思った。「解」は他者の中にはなく自分の中にこそあるのだと。2014/09/19