出版社内容情報
常朝の強烈な教えに心を衝き動かされた陣基は、武士のあるべき姿の実像を求める。中巻は、治世と乱世という時代認識に基づく新たな行動規範を模索。
内容説明
山本常朝の強烈な教えに心を衝き動かされた田代陣基は、武士のあるべき姿の実像を求めて、膨大な語りと書付から『葉隠』をまとめあげた。中巻には、常朝の直接の主君、鍋島藩二代藩主光茂の事跡を記した聞書五と、優れた藩士の事跡を集めた聞書六・七を収録。
目次
葉隠聞書 五 1‐148
葉隠聞書 六 1‐202
葉隠聞書 七 1‐53
著者等紹介
山本常朝[ヤマモトジョウチョウ]
1659‐1719年。鍋島藩二代藩主光茂に御書物役などとして仕え、光茂の死去に際して出家
田代陣基[タシロツラモト]
1678‐1748年。鍋島藩三代藩主綱茂に祐筆役として仕えた
佐藤正英[サトウマサヒデ]
1936年生まれ。東京大学名誉教授。倫理学・日本倫理思想史専攻
吉田真樹[ヨシダマサキ]
1971年生まれ。静岡県立大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
33
成富兵庫が申されましたことには、「勝つというのは、味方に勝つこと。自分に勝つこと。気を以て体(てい)に勝つこと。自分の身心を調練しておかねば、敵に勝つことはできない」(425頁)。孫子の兵法を思い出した。 2021/07/17
小島輝彦
3
上巻に続いて、相変わらず、難しい。 しかし、中巻最後の方は特に その時代の武士としての覚悟を感じました。2019/01/25
さんご
1
冒頭挫折するかと思ったよ。参勤は重要だっただろうけど出発到着をいちいち書かれてもー。ここを過ぎれば歴代藩主様方や人物等のエピソード集。簡潔な記述の中に当時の思想というか、気の持ちよう、常識を感じる。つまり今とは想像つかないほど覚悟が違う。戦国がいかに殺伐としていたことか。その殺伐さが主従の絆の強さをつくったか。時代が下るにつれこの1冊の中でも"今の者は切りたがらない"という切らなくてもよい時代に変わる。現代の感覚では腑に落ちないエピもあるがすべてノンフィクションで本当にこんなことをしていたのかと感慨深い。2018/01/18