ちくま学芸文庫
永遠の少年―『星の王子さま』 大人になれない心の深層

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090041
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0198

内容説明

本書は、深層心理分析で世界的に高名なフォン・フランツが、いま再び話題の永遠の少年「星の王子さま」を題材にして、現代の若者の心理を分析したロングセラー。「永遠の少年」とは一つの元型であり、ポジティブとネガティブの二面性がある。みずみずしい少年の感性と好奇心を生涯もち続け、豊かな創造力を発揮する反面、「モラトリアム人間」や「ニート」に代表されるように、大人に、社会人になりたがらない若者の病理である。サン=テグジュペリの『星の王子さま』をより深く理解するためにも、また、ますます子どもが独立しない現在、親子ともに切実なインパクトを与える好著。

目次

1 「永遠の少年」とは何か
2 幼児の両義性
3 呑みこむものと呑みこまれるもの
4 ヘビと童児神
5 個性化の苦しみ
6 現実への下降
7 上なる天と下なる天
8 生の躍動と偽の哲学

著者等紹介

フランツ,M.‐L.フォン[フランツ,M.L.フォン][Franz,Marie‐Louise von]
1915‐98年。チューリヒ大学で古典文献学の博士号を得る。34年以来、ユングの共同研究者を、61年に彼が亡くなるまで務める

松代洋一[マツシロヨウイチ]
1937年生まれ。早稲田大学文学部独文科卒。帝京大学名誉教授

椎名恵子[シイナケイコ]
1957年生まれ。東京女子大学文理学部哲学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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hikarunoir

7
分析対象の文学はともかく、己の欺瞞塗れの内奥と否認したい罪深さ(時計を進めたくない逃避傾向)を言い当てられ、自身の無価値さが苦しい。2017/09/20

ラウリスタ~

6
フォン・フランツという女性はなんだか妖しい経歴の持ち主。ユングが精神分析の実験をしたかったのか、18歳ぐらいの少年少女を自分のもとに集めた。そのうちの唯一の?女の子がフォン・フランツで、それからユングの死まで30年ほどユングの右腕として働いたとか。東大のY氏のくずみたいな本の元ネタ。2014/11/06

aiueo

2
良書。ユング派による『星の王子さま』読解。サン=テグジュペリに対してけっこう痛烈なことも言っている。2009/10/19

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