ちくま新書
「小さな政府」を問いなおす

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 250p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063205
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0233

内容説明

バブル崩壊以降、「小さな政府」を求める声が高まった。政府の市場への介入を最小限にし、個人の自己責任を重視することによって市場の効率が高まり、経済成長も促進され、国民の負担も軽減される、という自由主義的な考え方だ。具体的には、小泉構造改革が主軸に据えた規制改革や特殊法人と郵政の民営化や、地方財政改革、公共事業の削減などである。だが、その結果は勝ち組・負け組を鮮明に分け、格差社会を招いたとも言われる。今あらためて「小さな政府」の功罪を問いなおす。

目次

第1章 「大きな政府」へ
第2章 知られざる戦後日本の社会主義革命
第3章 新自由主義の台頭―「小さな政府」の思想
第4章 結果の平等か機会の平等か
第5章 「小さな政府」への闘い―サッチャー改革からブレアの第三の道まで
第6章 スウェーデン型福祉国家の持続可能性
第7章 日本の「小さな政府」への挑戦と挫折
第8章 小泉改革
第9章 「小さな政府」と格差問題

著者等紹介

岩田規久男[イワタキクオ]
1942年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院修了。学習院大学経済学部教授。深く確かな理論に裏づけられた、幅ひろく鋭い現状分析と政策提言はつねに各界の注目をあつめている。編著『昭和恐慌の研究』(東洋経済新報社)で第47回日経・経済図書文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

12
スウェーデン・モデルにも欠点があることがわかった。イギリスの例もそうだが、各国で事情が違うのでそのまま政策を引っ張ってくることはできない。個々人の幸福度の問題も絡む。簡単にはいかない。2011/11/21

ステビア

3
ちくま新書らしい良心的な本でした。2013/07/24

脳疣沼

2
今や日銀副総裁の著者。小さな政府とはどういうことか、各国の事例から、日本がどうなるべきか分かりやすく書かれている。結果の平等から機会の平等へと制度を作り変えることが重要だとし、格差の拡大については、最下層の所得が増える限りは容認するべきだとする。また積極的労働市場政策により、政府が雇用に対して介入するべきであると主張している。そして何より、そういった政策が有効に働くためにも、インフレ目標を設定し、デフレから脱却しなくてはならないと主張している。2015/01/21

bittersweet symphony

1
06年発売。未読本棚にある岩田規久男(1942-)さん著作読みの一環(今年に入って2冊目)。1970年代以降の欧米各国政府の経済・財政政策をケインズ/マネタリズムの対比というベーシックな観点も含めて時系列的に検証していくもの。結論はいつもの岩田さんの主張どおりで言わずもがなと言うところです(インフレ誘導)。 2013/04/05

Naota_t

0
★3.3 難しい。岩田氏は現在の日銀副総裁である。本書は2006年の発行で、題名の「小さな政府」とは当時の小泉政策を指す。本書では、北欧の小さな政府と大きな政府を解説し、その後、当時の小泉政権を検証している。岩田氏から見れば、小泉政策は成功とは言い難いようだ。画期的だった郵政民営化も完全な民営化とは言えず、国営ならではの甘い部分を残していたし、財政政策による公共投資を減らした結果、国民の所得の格差は広がってしまった。大きい小さいどちらが正しいというわけではないが、その方向性の中で最良の政策が大切である。2017/05/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/452331
  • ご注意事項