内容説明
この数年、“ナショナリズム”をめぐる議論がかまびすしい。冷戦に代わる国際秩序が定まっていない上に、極東アジアでは「北朝鮮」という冷戦の産物が大きな比重を占めているからである。しかも、バブルの崩壊とグローバリゼーションに伴う「成果主義」や「市場原理主義」の浸潤によって、セーフティ・ネットが整備されないまま勝ち組・負け組への階層化が進み、社会の安定感は急速に失われつつある。国内と国外の要因が複雑に絡み合いながら過熱化する一方の言説を丁寧に解きほぐし、「愛国心」の行方について考える。
目次
第1章 「日本は変わった」のか
第2章 自分以外はみんな「バカ」
第3章 この国に生まれたるの不幸
第4章 「帝国」の病理
第5章 二つの「病」と日米関係
第6章 治癒と愛国心
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。神戸芸術工科大学助教授を経て、現在は帝塚山学院大学教授。豊富な臨床経験を生かして、不透明さを増す現代人の心の問題を中心に、様々なメディアで発言を続けている
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