ちくま新書<br> タブーの謎を解く―食と性の文化学

ちくま新書
タブーの謎を解く―食と性の文化学

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480056917
  • NDC分類 389
  • Cコード C0239

内容説明

タブーとは何だろうか。およそ人類史上、タブーのない社会は古今東西どこにも存在しなかった。未開社会だけではない。現代都市の若者のあいだでもタブーはひそかに息づいている。なぜ人間は、古来から近親婚を禁じたり、イスラム教が豚肉、ヒンドゥ教が牛肉、あるいは仏教が肉食一般を禁止したように、性や食の禁制を社会のなかに仕掛けておかなければならなかったのか。人間の原思考が生み出した奇怪な文化装置であるタブーの謎にスリリングに迫る。

目次

第1章 奇妙奇天烈な文化装置
第2章 その肉を食うな
第3章 その人とセックスするな
第4章 タブーの文化象徴論
第5章 タブーの暗号解読
第6章 タブーの弁証法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

獺祭魚の食客@鯨鯢

56
 豚肉をタブーとするイスラム教徒と好んで食べる中国人。牛肉についても同じです。一見不合理に見える食のタブ-は風土や過去の苦い歴史などそれなりの理由があります。  豚肉は生肉は食べない方がよいというのはよく耳にします。中国では必ず火を通すのに日本では生食料理が多い。食中毒や寄生虫など雑食であるリスクは文化でもなりタブーでもある。 文化の多様性は大切にしたい。  人間の好奇心と移動志向が文化だけでなく文明をも産み出したことを忘れてはならない。  2020/07/16

noko

5
タブーはコスモス(秩序や調和がある状態)をカオスから守る為にある。人は曖昧なもの、線が引けない、境界線上にある物を禁忌タブーな扱いにする。本来西洋の考え方だと全ての生き物は神の創造物なので、何を食べても良いはず。昆虫などのゲテモノと捉えられる物は昔から世界各国で食べられている。しかし宗教によって食べ物のタブーが結構あるし、ペットを飼い主は食べない。レヴィ=ストロースも出てきて、私個人としては嬉しかったが、少しこじつけとも思われる箇所も。2023/09/22

ハパナ

5
性や食の禁制に関して、その発足から存在意義を論理的に考察されています。タブーは社会的な経験知による物や、社会的に拘束力はあるが迷信による物があります。風俗・風習・倫理・宗教に加え、生活に関わる自然資源の影響により変動して行く。その社会的に忌避されるべき結果の要因をいかにして取り除くかが、原点になるのではないでしょうか。2016/08/17

ジスカールデスタン

2
カオスとコスモス、リーメン。穢れと禁忌。食と性のタブー。2018/02/26

iqo720

2
長年気になっていた数々の謎が気持よく晴れていった。 民族学や人類学にとても興味があったので、 日本や世界各地のタブーの実例が豊富で知的好奇心を満たしてくれた。 決して、偉そうな講評でも、実例の紹介だけでもなく、 著者の言葉での説明も読みやすく、授業を受けているよう。 「境界」というキーワードでタブーや風習を理論づけするところは目から鱗であった。 この考えに出会えただけでも読んでよかった!2008/11/05

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