ちくま新書<br> 虚構の時代の果て―オウムと世界最終戦争

ちくま新書
虚構の時代の果て―オウムと世界最終戦争

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 302p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480056733
  • NDC分類 169.1
  • Cコード C0236

内容説明

われわれにとってオウムとは何か。なぜ彼らは毒ガス・サリンを生成し、使用しなければならなかったのか。なぜ彼らは、近代の資本システムを貫通する。永遠に終わらない時間の対極に、破局的な終末論を求めなくてはならなかったのか。まさしく地下鉄サリン事件とは虚構の時代の果てに勃発した世界最終戦争だったのだ。虚構と現実が交錯する現代社会の機制を鋭く撃つ、気鋭の社会学者による渾身の冒険的論考。

目次

第1章 妄想の相互投射
第2章 理想の時代・虚構の時代
第3章 サリンという身体
第4章 終末という理想
第5章 虚構=現実
終章 ポアの思想を越えて

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

62
1996年にでたオウム事件(1995)の論考。ちくま学芸文庫で増補版がでていてそちらを読みたかったが、貸出中で旧版のこれを手に取る。オウムの「世界を滅亡させる」欲望が生まれる過程を説明。著者の「アイロニカルな没入」などの用語や近代の時間感覚の変化で生じる逆説的な「空しさ」などに唸る。参照で見沢知廉の「天皇ごっこ」がでてきて懐かしく感じた。のちの「不可能性の時代」2008に発展するのだが、こちらのほうが良い。ただまあ、社会評論のスタイルに飽きてきたなあと、もどかしく感じる。学芸文庫版で再読したい。2017/08/04

おらひらお

3
1996年初版。終末観・虚構の時代と理想の時代、家族の根源的否定等々いろいろと考えさせられる内容。理解しきれたとは言えないので、再読する可能性もありますね。2021/11/27

 

3
再読だが、オウム事件を通して、「虚構の時代」を分析する。そして、「虚構の時代」から「不可能性の時代」へ。まだこの頃は良かった(『不可能性の時代』はジジェクの丸パクリみたいな本なので)2016/09/21

なーちゃま

1
②旧新宗教(創価など)→帰依する人は貧病争から逃れ現世利益を求める。→コミュニティでの相互共助をし、『理想』を目指す。 一方、新新宗教(オウムや幸福の科学)は「空虚」から逃れたい人が帰依し現世離脱を標榜する。現実から逃れ『虚構』を目指す。 理想が現実との地続きであり、「現実をいつかこうしたい」と夢見るのに対し、虚構は現実と関係なく存在する。2020/09/21

ゆあ

1
読みにくい、わかりにくい、難しい。 でも、部分的には何とか理解ができたと思う。 以前、他の著書で読んで理解したいと思っていた「第三の審級」について少しわかったような気がする。 大澤氏の著書はもう数冊読んでおきたい。2014/12/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/366313
  • ご注意事項