内容説明
ダンディズムは、「人目をひいてはならぬ」。服装を飾りすぎたり、立居振る舞いを気取りすぎると、かえって鼻もちならなくなる。半可通がワインについての知識を口にすれば「いなか紳士」になる。ポーズ、食事作法、酒の飲み方、男のおしゃれ、ギャンブルなど、紳士としての心意気をつづった名文の数々。吉行淳之介のエッセイ・コレクション、ついに刊行。
目次
1 紳士読本(青春のポーズ;ダンディズムについて ほか)
2 遊び(あそび;ケガの親指にバンソウコウ、このチョンボは創作なのだ ほか)
3 酒(酒の飲み方;二日酔 ほか)
4 断章(私とタバコ;自動車を持つ七つの愉しみ ほか)
著者等紹介
吉行淳之介[ヨシユキジュンノスケ]
1924年岡山生まれ。東京大学文学部英文科中退。「モダン日本」の編集者を経て、53年『驟雨』で芥川賞、70年『暗室』で谷崎賞、78年『夕暮まで』で野間文芸賞を受賞。「性」を追求した小説の大家にして、エッセイ、対談の名手。父はダダイストの吉行エイスケ、母は美容家の吉行あぐり。1994年7月没
荻原魚雷[オギハラギョライ]
1969年三重生まれ。ライター・編集者
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感想・レビュー
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佐島楓
31
重複して読んでいたところもかなりあったけれど、やはり面白い。肩の力が抜けているのでこちらもリラックスできる。このシリーズは全巻そろえたい。2015/03/03
テイネハイランド
13
前に「贋食物誌」を読んで吉行の文章の良さを実感したので、今回彼のエッセイ集を読んでみました。(1)何箇所か、同じ内容について触れた文章が重複して収録されている。(2)吉行の文章に、やや書き急ぎ感があって、その構成にまとまりや脈絡が欠けていることが多い。(3)彼の美意識や意見が強すぎたり、今の時代に読むとその考え方が時代遅れに感じるところがある、と欠点が目立つので、正直選集としての出来はあまり良くないのですが、それでも、いわゆる下ネタを語らせたら凄みがあるというか上手い人だなと改めて思います。2017/07/22