内容説明
五代目志ん生の代表作を晴れやかに継承した「火焔太鼓」、悪も欲もある話を明朗な調子と軽いリズムで立て切った「黄金餅」、淡々とした語り口がこれからの芸境の充実を予感させたが、最後のホール落語になってしまった「へっつい幽霊」。他に「船徳」「宿屋の富」「鰻の幇間」「夢金」「宗〓(みん)の滝」「もう半分」「富久」「芝浜」など、人生「浮きつ沈みつ」の全十二編を収録。高座写真、遺品のノート、編者解説付。
目次
火焔太鼓
へっつい幽霊
船徳
宿屋の富
黄金餅
鰻の幇間
夢金
宗〓の滝
もう半分
富久
茶金
芝浜
著者等紹介
古今亭志ん朝[ココンテイシンチョウ]
昭和13年、東京生まれ。32年父の古今亭志ん生に入門して朝太で前座。34年二ツ目。37年志ん朝を襲名して真打となる。落語以外に演劇人としてもその才能を発揮した。出囃子は「老松」。名実ともに当代随一の噺家であったが、平成13年10月1日、没
京須偕充[キョウストモミツ]
昭和17年、東京生まれ。ソニー・ミュージック学芸プロデューサー時代に三遊亭円生「円生百席」の録音を手がけ、録音を渋っていた古今亭志ん朝が、唯一その高座の録音を許した
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感想・レビュー
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Ribes triste
7
志ん朝の落語は粋で流暢な江戸弁、絶妙の間合い、そしてきっちりとした演じ分けの妙技。表情と色気、優雅な所作、声色まで変わり、花魁もおかみさんでも御隠居さんでも、見事に演じ切ります。本を読む度に、行間にあの優美な所作を思い出し、無性に志ん朝の落語が見たくなるのです。2016/01/24
toshi
7
「火焔太鼓」、「へっつい幽霊」、「船徳」、「宿屋の富」、「黄金餅」、「鰻の幇間」、「夢金」、「宗珉の滝」、「もう半分」、「富久」、「茶金」、「芝浜」。 お金がテーマの有名な話が話が多い。2015/12/17
Kuliyama
1
やはり芝浜は良いなぁと思います。2018/11/01
靖
1
志ん朝の芝浜は過度に湿っぽくない。そこが好みの分かれるところかもしれないけど自分はこれぐらいが心地よく楽しめる。2011/04/25
Nobuhiro Shibata
0
寄席で聞いても、オーディオブックで聞いても、読んでも、面白い!2012/09/23