ちくま文庫
現代民話考〈7〉学校・笑いと怪談・学童疎開

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 475p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480038173
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0139

内容説明

古今東西、学校という空間がいかに妖怪たちに愛されたか。幽霊は言うに及ばず、座敷わらしから河童、のっぺらぼう、一つ目、こっくりさんまで。また、天井が降りてくる、血が滴る、階段が減る増える、人形が歩く、突然ピアノが鳴り出す等、学校の怪談集大成。

目次

第1章 笑いと怪談(笑いと怪談考;怪談;笑い)
第2章 子どもたちの銃後(子どもたちの銃後考;先生たち;学徒動員;学徒出陣;学童疎開;戦時下の学校が)

著者等紹介

松谷みよ子[マツタニミヨコ]
1926年、東京に生まれる。作家。「びわの実学校」同人。松谷みよ子民話研究室主宰。『龍の子太郎』(国際アンデルセン賞優良賞受賞)『ちいさいモモちゃん』(野間児童文芸賞受賞)『あの世からの火』(小学館文学賞受賞)ほか著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

51
再読。今回の発見は、戦時中の疎開や権威をふりかざす軍人、教師、陰湿ないじめなど、子どもにとって苦しい体験が、微妙に怪談に結びついている点。怪談話はそれ以前にもあるが、現代の「学校の怪談」に戦争について言及され、怪異の理由にもされていることや、年代をこえて、同じ学校の中で伝承されていったものと考えれば、「現代民話」として扱われるのは、まさに的を射ていると思う。学童疎開の回答者自身の体験は、二度と戦前のような時代へ回帰するなど、あってはならないとのメッセージが読み取れる。負の歴史だからこそ未来に伝えるべき。2022/05/23

へくとぱすかる

44
2度目の再読。よくよく「学校の怪談」が好きなんだと、自分でも思う。全体の2/3となる怪異篇は、この本が原点に近い文章であると、リアルに感じられる。記憶という、はかなく失われそうな形態から復元された話の数々は、学校という「場」へのあらゆる方向から寄せる思いの具体化という気がしてならない。第2章の子どもたちの疎開・戦争体験は、これこそ学校に対する、極限まで追い詰められた心情であり、悲惨や人間不信、大人への怨みに満ちている。ここに第1章への底流を感じる。この記憶を失ってはいけない、子どもたちに申し訳ないと思う。2023/10/05

へくとぱすかる

32
学校の怪談は楽しく読めるし、その資料としての集大成でもある。しかし第二章の学童疎開は、もはや読んでいるのが辛くなるほど悲惨な話が続く。それが戦争中の子どもたちの置かれた状況であり、わずか数十年前の日本の、人間として恥ずかしくなるほどの、心の貧しさをむき出しにしているようだ。「昔はよかった」などとはとうてい言えないし、そんな時代の再来だけは絶対にごめんだと思う。2015/11/18

Gen Kato

2
再読。わが母校の話も載ってるんですが、もと在校生(70ウン代卒業生)は初耳ですよー(笑2014/12/07

KBS

1
淡々としている文章だけどその分迫力がある。特に第二章の戦争体験。2012/06/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/363672
  • ご注意事項