内容説明
身の毛もよだつ怪奇譚や、実録風怪異現象をエキゾティシズムと猟奇趣味の混合した耽美的な文体で描いた、橘外男。特異な経歴をもち、様々な職に就きながら小説の筆を取った異色作家の、「聖コルソ島復讐奇譚」「怪人シプリアノ」など「実話」と銘打ったグロテスクな海外怪異譚と、「蒲団」「逗子物語」などの日本的怪談10篇を収録。
著者等紹介
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年神奈川県生まれ。出版社勤務を経て、ミステリ評論家・フリー編集者として活躍中
橘外男[タチバナソトオ]
1894(明治27)年石川県金沢市生まれ。軍人の父のもと厳しく育てられたが、素行不良で中学退学処分となり、北海道の叔父にあずけられた。21歳のとき罪を犯し刑務所に入る。出獄後上京、医科器機輸出業などさまざまな職業に就きながら小説の筆をとった。1938(昭和13)年、「ナリン殿下への回想」で、直木賞を受賞。戦中は満州に移住。戦後執筆を再開。1959(昭和34)年没
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