ちくま文庫<br> 鉄を削る―町工場の技術

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ちくま文庫
鉄を削る―町工場の技術

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480035783
  • NDC分類 532.1
  • Cコード C0195

内容説明

日本の最先端技術を基礎からささえる町工場。その町工場で旋盤工として50年間、働きつづけてきた著者が、知恵に裏づけされた職人技と、粋な職人魂をいきいきと描き出す。世界にも通じる日本の町工場の技術とそこに暮らす人びとの姿から不況を生き抜く術が見つかるか。

目次

鉄とのコミュニケーション(いい音、澄んだ音;銅の色・ステンレス鋼の色 ほか)
手で獲得する人生(熟練への玄関口;壁紙も鉄も伸びる ほか)
やわらかな技術(水のなかにドボン;手配師の誤算 ほか)
ハンドルのない機械(これまでの旋盤とNC旋盤;NC入門 ほか)
技術の“いま”(熟練の意味;芯出しをめぐる技術 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まる@珈琲読書

8
★★★★★ ■中古で何気なく買ってきたが面白くて一気読み。著者がベテラン旋盤工という珍しい本。初版が1985年、ものづくりのME化で旋盤からNC旋盤、マシニングへと移り変わる中での旋盤工の生き様が描かれている。今また、IoTやAI、ロボティクスといった技術でものづくりの手段が変革期にある。著者が言うように、どれだけ機械や技術が進歩しても、それらをつくり、使う人間の頭と手が重要ということは普遍と言えるだろう。仕事の奥行きを見る目を養っていきたい。2021/01/24

どらがあんこ

7
機械といかに折り合いをつけるのかという問はNCだろうが汎用機だろうが代わりはない。チャック屋になるなという言葉がずしりと来る。2021/05/10

安国寺@灯れ松明の火

4
旋盤工歴三十余年。その経歴からは想像がつかないと言っては失礼ながら、スマートな文章で一気に読んでしまいました。「熟練工の特質は、腕の器用さではなくて、仕事を見る眼にある」――初版1985年ながら、私の勤める会社にも機械加工の部署があり、その現状を見る限り、著者の技術論は決して古びていないと思われます。著者の言葉ではありませんが、「技術」と「技能」の違いは明文化された手順に置き換えられるかどうか。その境界は固定化されていないものの、必ず存在します。その認識が活路を生むと私は考えています。2012/07/01

みなみ

2
古本市で手に入れた。旋盤というとレディ・ジョーカーのヨウちゃんが旋盤工だったなあなどと思い出す。旋盤工ならではの経験と知識を、一般層にも読みやすい文章で紹介してくれる、希有な本だと思う。物作りについて考えさせられる。2017/11/23

何だか

2
むやみに「職人の技」とか「ものづくり」を持ち上げるだけのバカを見ると即座に死ねばいいと思うが、この本はその種の軽薄さとは無縁。思うに、表現が一人歩きしだしたせいで、職人とは何か、ものをつくるとは何かという実質を顧みる機械が少なくなっているのでは。その点小関さんは若い頃からの文学への興味の上に多年にわたり重ねた旋盤工としての経験を基に、読者の前に「技術」「ものづくり」の実質を明らかにしてくれる。気がする。あと、俺はSEだから直接ものをいじることはないけど、旋盤工にもSEにも共通する部分ってのはある気がした。2013/09/11

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